2013 Fiscal Year Research-status Report
ラボディスクによるハイスループット単一細胞遺伝子発現解析
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24510171
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Research Institution | Soka University |
Principal Investigator |
久保 いづみ 創価大学, 工学部, 教授 (40214986)
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Keywords | 単一細胞 / 発現遺伝子解析 / Jurkat Cell / ラボディスク / Hot Cell-direct RT-PCR |
Research Abstract |
2013年度は2012年度に引き続き、Jurkat cellで発現しているハウスキーピング遺伝子GAPDHと非ハウスキーピング遺伝子(CD95, IL-2、p65)の発現量の違いを、βアクチン遺伝子で標準化しての比較を行った。発現量の指標である蛍光強度比のばらつきは、βアクチンで標準化後には、相対標準偏差がGAPDHで8%、非ハウスキーキーキーピング遺伝子では20%前後となり、非ハウスキーピング遺伝子での細胞ごとの発現量の違いが大きいことが示された。 さらに2013年度は、IL-2の発現量を上昇させるといわれるPMAを用いて、細胞毎の発現量の影響を評価した。PMAは終濃度0.2および2 μg/mlになるように細胞培養液に添加し、negative controlとしてPMAを加えずに、2時間培養した細胞を用いてHot Cell-direct RT-PCRによりIL-2の発現量を比較した。リアルタイムPCRでの比較では、PMAによるIL-2発現量の上昇が確認された。Jurkat cellをラボディスクを用いて細胞単離し、単一細胞を含むチャンバーについて比較したところ、PMA非添加と2 μg/mlの添加については、蛍光強度比2倍を超える細胞も1つ存在していたが、PMA非添加では蛍光強度比の範囲は1.05-1.34、2 μ/mlの添加では0.93-1.38と大きな差は見られなかった。0.2 μg/mlの添加では1.13-1.79と蛍光強度比の差が見られた。 一方、これまでの研究で、TAMRAプローブを用いたβ-actinの検出において、ラボディスクでの細胞単離後、細胞を含むチャンバーの蛍光強度がFAMに比べて低い結果が確認された。濃度条件について検討したところ、各プライマーの終濃度0.2 μM、FAMプローブの終濃度0.2 μM、TAMRAプローブの終濃度0.4 μMの条件においてβ-actinの相対蛍光強度比の平均が増加していることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同一条件で培養した、同一株の細胞であっても、ラボディスクでの細胞単離後に発現遺伝子検出を行うと、細胞毎に遺伝子の発現量の違いを示唆する結果は得られており、その点からは順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
培養条件の違いにより発現量が変化する遺伝子については、Jurkat Cellでの検討では、現在、有意に変化する遺伝子を確認できていない。他の遺伝子や、条件、あるいは他の細胞での検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一部消耗品の使用量が、当初予定量よりやや少なかったことによる。 おおきな使用計画の変更はない。
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Research Products
(8 results)