2013 Fiscal Year Research-status Report
血中循環がん細胞の検出を目指した細胞チップデバイスの開発
Project/Area Number |
24510173
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山村 昌平 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (50432141)
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Keywords | 細胞チップ / マイクロアレイ / 循環がん細胞 / 転移性がん / 単一細胞解析 / バイオチップ / ハイスループットスクリーニング |
Research Abstract |
本研究では、独自の集積型の細胞マイクロアレイチップを作製し、血中循環がん細胞(CTC)の検出系の構築を目指す。本細胞チップ上で、多数の白血球を均一に配置し、そこに混在する極少数のがん細胞を高感度に検出し、単一がん細胞の解析まで行えるがん診断システムの開発を目標とする。 本年度は、昨年度開発した細胞チップ上で、白血球中に混在する極少数のがん細胞を対象に、複数の蛍光標識抗体等を用いて検出できるように抗体や色素の種類や濃度の条件検討を行った。以上の条件を最適化し、細胞チップ上で、全血中に添加した0.0001%から0.01%のがん細胞を定量検出することができた。それと同時に、抗体多重染色をチップ上で行い、がん種の同定ができるように複数の抗体による染色を試み、より正確な解析ができるシステムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、昨年度に開発した細胞チップ上で、白血球中に混在する極少数のがん細胞を対象に、複数の蛍光標識抗体等を用いて、がん細胞のみを正確に検出できるように抗体や色素の種類や濃度の条件検討を行うことが大きな目標であった。以上の条件を最適化し、細胞チップ上で、全血中に添加したがん細胞の濃度に依存して標的がん細胞を定量検出することに成功した。さらに、抗体多重染色をチップ上で行い、特定の抗体に依存することなくがん種の同定ができることが示されたことから、正確なCTC解析が可能なシステムを構築できた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、細胞チップ上で血液試料に混在する極少数の標的がん細胞を定量解析でき、抗体多重染色によって標的がん細胞を正確に解析することができた。今後、標的がん細胞の回収や一細胞PCRを行うことを検討し、標的の単一がん細胞の機能解析を行うことを試みる。それによって、正確性の高い循環がん細胞の解析、診断システムの構築を目指す。さらに、患者試料を用いたCTC検出の実証実験も行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
特に昨年度から今年度に掛けて、複数の蛍光標識抗体等を用いて抗体多重染色の条件を検討するため、各種蛍光標識抗体や蛍光フィルターの購入を検討している。また今年度は、新たに一細胞PCRを行うための試薬類の購入を検討している。本研究遂行期間を通じて細胞培養用消耗品に加えて、以上の試薬備品が滞ることなく購入できるようにするため次年度使用額も併せて計上したい。 今年度も引き続き、複数の蛍光標識抗体等を用いて抗体多重染色の条件を検討するため、各種蛍光標識抗体や蛍光フィルターの購入を検討している。さらに今年度は、新たに一細胞PCRを行うための試薬類の購入を予定している。また、研究遂行期間を通して、実験計画遂行上、複数の培養細胞(白血球細胞、各種がん細胞等)を培養することから、年間100万円程度の細胞培養用消耗品(プラスチックプレート、ピペット、培養用ガスボンベ等)が最低必要である。その他にも、年数回、研究成果を社会に発信するために種々の必要経費(論文別刷、学会発表)を計上している。
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