2012 Fiscal Year Research-status Report
粒子表面上での金属ナノ粒子の自己形成・自己集積パターニング技術の開発
Project/Area Number |
24510176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
酒井 俊郎 信州大学, 工学部, 准教授 (30468706)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 核粒子 / 両親媒性高分子 / 自己形成 / 自己集積 / パターニング / 金属イオン還元 / 自己組織化 |
Research Abstract |
両親媒性高分子の“自己組織化能”と“金属イオンの還元能”を利用して、シリカ粒子上への金ナノ粒子の自己形成・自己集積化を実現する最適条件の探索を行った。両親媒性高分子水溶液中に球状シリカ粒子を分散させた後、塩化金酸水溶液を添加して、シリカ粒子表面上でのみ金ナノ粒子を形成し、集積される方法を確立する。まず、シリカ粒子上への金ナノ粒子の集積化とシリカ表面へのポリマーの吸着との相関性を検討するため、クォーツクリスタルマイクロバランス(QCM)を用いて、シリカ表面へのポリマーの吸着量を測定した。このシリカ表面へのポリマーの吸着量のデータをもとに、種々のポリエチレン(PEO)-ポリプロピレン(PPO)ブロック共重合体水溶液、PEOホモポリマーを用いて、水溶液中でシリカ粒子上への金ナノ粒子の自己形成・自己集積化を検討した。その結果、反応温度25℃においては、金ナノ粒子は形成されるが、シリカ粒子上に集積されないことが分かった。そこで、反応温度を上昇させ、同様の実験を行った。その結果、反応温度40℃では25℃と同様に金ナノ粒子は形成されたが、シリカ粒子上に集積されなかった。それに対して、反応温度80℃においては、PEO-PPO-PEOブロック共重合体であるPluronic L64とPEOホモポリマーであるポリエチレングリコールを使用した場合に、シリカ上に金ナノ粒子が集積されることが明らかとなった。Pluronic L64の場合には、約3 nm径の金ナノ粒子が島状に集積され、PEOホモポリマーの場合には、約3 nm径の金ナノ粒子が均一に集積されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、“自己組織化能”と“金属イオンの還元能”を有する両親媒性高分子を利用して、固体粒子表面(曲率界面)上に形成する自己組織化膜中での金属ナノ粒子の自己形成・自己集積パターニング技術を確立することを目的としている。本年度の目標は、粒子表面上に形成した自己組織化膜中で金属ナノ粒子の自己形成+自己集積技術を確立することである。種々の両親媒性高分子を用いてシリカ粒子上での金ナノ粒子の自己形成+自己集積化を試みたところ、両親媒性高分子の種類と反応温度により、シリカ粒子上で金ナノ粒子が自己形成し、自己集積化できることを明らかとした。例えば、ポリエチレン(PEO)‐ポリプロピレン(PPO)ブロック共重合体であるPluronic L64を用いた場合、80℃で調製を行うと、シリカ粒子上で約3 nm径の金ナノ粒子が島状に集積することを明らかとした。また、PEOホモポリマーであるポリエチレングリコールを使用した場合には、シリカ粒子上に約3 nm径の金ナノ粒子が均一に集積することが明らかとなった。つまり、ポリマーの種類により、シリカ粒子上での金ナノ粒子の集積状態を調整可能であることを示唆している。
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Strategy for Future Research Activity |
シリカ粒子上への金ナノ粒子の自己形成・自己集積・パターニング技術を確立する。 目標:シリカ粒子表面状に金ナノ粒子を0D(ランダム)集積、1D(ネットワーク状)集積、2D(ドメイン状)集積を実現する条件を見出す。 課題:どうしたら、核粒子(シリカ)表面に金属ナノ粒子をパターニングできるか?解決策1:シリカ粒子表面を不均一化する。解決策2:自己組織化膜を不均一化する。解決策3:金ナノ粒子自身の形態を制御する。 検討事項:(1)ふっ酸やシランカップリング剤などにより、シリカ粒子表面の粗さや親水性/疎水性のコントラストを付ける。(2)pHを調整して、形成した金ナノ粒子の凝集を誘発する(2D集積)。(3)1Dネットワーク金粒子を形成する両親媒性高分子を使用して、集積化する(1D集積)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)