2014 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧PCVD成長ナノチューブを用いたフレキシブルTFTの作製とMSIの動作実証
Project/Area Number |
24510177
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岸本 茂 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10186215)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カーボンナノチューブ / 薄膜トランジスタ / 大気圧プラズマ / フレキシブルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は大気圧プラズマを用いたカーボンナノチューブ(CNT)の成長と、CNTを使ったフレキシブル薄膜トランジスタ(TFT)の作製と集積化を実証することを目的とした。 初年度から大気圧プラズマ用CNT成長装置の開発とCNT成長の最適な条件だしを行い、本年度、大気圧でもTFTのチャネルに使用可能なネットワークを構成するCNTが成長することを確認した。また、大気圧プラズマはイオンダメージが少ないことからグリッドを挿入することなく約1nmのCNTが成長することを示した。バックゲート型CNT-TFTを作製して電気特性を評価したところ4桁のon/off比が得られデバイス作製可能なCNTであることを確認した。集積化についてはグリッド挿入型マイクロ波プラズマCVD法で成長したCNTにポリビニルアルコール(PVA)を使ってプラスチック基板に転写後、リング発振器を作製してCNT-TFTを集積化した。PVAが転写材として有用であること、プラズマCVDで成長したCNTがフレキシブルデバイスとしても高いポテンシャルであることを明らかにした。また、n型伝導の一つの方法としてポリエチレンイミンを用いた化学ドーピングを行いn型制御が可能であることを示した。大気圧プラズマにおいてはCNT成長中に窒素を添加することでn型伝導CNTの可能性を調べた。ここでは窒素ガスやアンモニアガスを成長装置に導入して実験を行ったが窒素イオンによるダメージから結晶性が悪くなるなど、結果は得られていない。窒素ドープは長期に安定したn型伝導特性が得られる可能性があることから、引続きアンモニアガスを使い成長条件やアニール温度などを検討しn型伝導CNTの成長を試みる。
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