2013 Fiscal Year Research-status Report
「サービス場」概念に基づくサービス価値創造モデリング
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24510186
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小坂 満隆 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (30508411)
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Keywords | 観光サービス / サービス価値 / サービス場 / 価値共創 / サービスドミナントロジック / サービス科学 |
Research Abstract |
(1)サービス価値創造モデルに基づく、能美市を含む石川県の観光価値評価に対して、観光地の提供するサービス属性ベクトルと訪問者が期待するサービス属性ベクトルの内積により、サービス価値を定量的に計算できる方法を開発した。これを京都、仙台、金沢の3つの都市の評価に提供し、アンケートを実施してデータを取り、有効性を示した。サービス価値創造モデルを応用して、観光地の価値を定量的に評価できる方法論として新たな試みといえる(横幹連合コンファレンスで発表他、今後、学会で発表) (2)サービス場に基づくサービス価値創造モデルを観光サービス以外にも適用できることを多くの事例(新製品の企画、ITサービスソリューション他)を通じて確認し、国際学会他発表を行った。(Knowledge management orgnization 2013 他)本研究で進めている、サービス価値創造モデルは、いろいろな分野に応用でき、サービスに対する新たなモデルとして期待できる。 (3)上記(1)(2)を中心とする研究交流において、ナレッジマネジメント関係の学会、アジアを中心とした大学との連携強化を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開発当初から比較すると、サービス価値創造モデルの理論的面で大きな進展があった。サービス価値創造をモデル化するために、サービス場概念を提案し、提供するサービスとサービス場の関係性からサービス価値が求まることを提案した。このサービス場概念は、物理学の場の考え方、ポテンシャルの考え方と類似である。そして、サービス場のポテンシャル関数を分析して、サービス価値が、提供するサービスの属性ベクトルと、サービスを求める顧客のサービス属性ベクトルの内積で計算できることを示した。2つのサービス属性ベクトルを決めることができれば、サービス価値が定量的に評価できることになるので、非常に有効な考え方ということができる。この考え方により、サービス価値創造モデルを観光サービスへ適用して評価するという当初の目的もほぼメドがついた。すなわち、観光客のサービス属性ベクトルと観光を提供する側のサービス属性ベクトルが評価できれば、対象の顧客に対する観光サービス価値が計算できることになる。このように、理論面で大きな進展があった。実フィールドへの適用が1ケース(金沢、京都、仙台の比較)であり、今後、適用の具体事例を増やしていきたい。現状の進行状況は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象とするサービス価値創造モデルは、その適用範囲も広く、サービス研究の新たなモデルとして注目に値する。そこで、これまでの成果を体系化して、学会発表等を通じて発表していく。具体的には、電気学会情報システム研究会、ACIS(Asian conference on Infromation systems), IEEE SMC conference などを想定している。平成26年度は、最終年度であり、サービス場に基づくサービス価値評価方法のさらなるブラッシュアップと応用対象を金沢地区の観光だけでなく、近隣の国、たとえば、中国の観光地の評価へと適用事例を増やすことで、研究成果の有効性の確認を行う。また、サービス価値創造モデルの適用は、観光サービスにとどまらず、様々な応用範囲を持つと考える。多くの応用範囲への適用可能性を検討し、提案した考え方の有用性を広げてゆく検討も合わせて実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)2013年度に予定していたサービス価値創造の数学モデルの研究成果の国際学会発表を2014年度に行うため。 (1)研究成果の発表 IEEE/SMC conference (米国 サンディエゴ)40万円、(2)最終年度の成果を取りまとめるための研究員(博士課程)の雇用 90万円
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