2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510195
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
澁谷 正弘 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (00196453)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 職務再設計支援 |
Research Abstract |
本研究では、作業者ごとの作業内容や負担と改善に関する知識を見える化(標準化)し、システマチックに作業改善が行えるシステムを開発することを目的としている。平成24年度は、システムの概念設計と作業姿勢に着目して分析し効率の良い標準的な作業方法を見つけるために、以下のことを実施した。 (1)企業調査および職務再設計に関する資料を分析し目標とするシステムの概念設計を行った。システムを実現するために必要な要件は、(a)人材育成システムの確立、および技術・技能の継承を支援すること、(b)作業者の年齢や性別を考慮した作業の標準化を支援すること、(c)工程の標準化を支援し計画的な生産を支援すること、(d)生産・製造現場において経験や専門知識が不足している管理者でも簡単に利用できるよう支援すること、の4つに集約できることが分かった。目標とするシステムは、これらの4つの要件ごとにサブシステムを作成し、共通のデータベースを構築し統合する方式に決定した。この概念設計については、ICPR22(2013年7月)において発表予定である。 (2)作業方法を作業姿勢に着目して分析し効率の良い標準的な作業方法を見つけるサブシステムの開発を行った。先行研究で開発したシステムを収集した資料をもとに再構築した。現状では、動作の定義および動作のシミュレーションが実行できる。作業姿勢をコード化(適正なコードに分類中)することで、既存のCADとの連携を図ることが可能となった。この成果はAPIEM2012で発表した。 (3)製造現場での生産活動の意思決定をサポートするために、大手企業で用いられている3つの帳票(作業指示書・標準作業組合せ表・工程別能力表)がどのように利用されているか調査した。さらに、3つの帳票を扱っているソフトウェアを調査・分析を行った。これらの結果は、第36回および第37回日本生産管理学会全国大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時と研究の進行が異なってしまったが、企業調査を通して目標とするシステムの全体像をしっかりと設定できたことで今後研究計画が見通せるようになった。工場調査にアルバイトを雇用し調査する予定であったが、適切な人材が見つからなかった。しかし、知り合いの研究者より職務再設計に関する資料の提供を受けられる見通しとなったので、調査事例の数が当初より増える見込みとなった。上記の事柄を勘案するとおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、概念設計にそってシステムの詳細設計および開発する。以下に具体的な研究計画を示す。 (1) 作業標準の導出支援メカニズムを検討する。そのために、創意工夫により作業者パフォーマンスを向上させている例や人的 (Man)作業要素と機械化 (Machine)可能な要素を分類し、人の作業を装置がアシストし負担軽減を可能にしている職場などを調査する。調査結果を開発中のサブシステムに反映できないか検討する。 (2) 3つの帳票(作業指示書・標準作業組合せ表・工程別能力表)を用いた工程管理が容易に実行できるツールを検討する。ツールの1つとして工程シミュレーション(バーチャルファクトリ)を利用し標準作業ライブラリを作成する。 (3) 標準作業組み合わせ票の自動作成ができるメカニズムを検討する。3つの帳票を同時に利用し生産管理を支援するソフトウェアがないことから、企業調査などにより利用法を把握しシミュレータ上で具現化できる項目を検討する。 平成26年度は、開発中の2つのサブシステム(b)(c)を完成させ、サブシステムから利用するデータベースの設計・構築を行う。インターフェース部に産業現場で利用できるようタブレットなどの情報端末が利用できるか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請時に、平成26年度は工場調査の旅費と成果発表の旅費、および消耗品費を計上していた。このうち、工場調査に伴う人件費(4名×10日)として20万円を計上していたが、適切な人材が見つからないことから成果発表の旅費に振り替える。成果発表は海外を計画しており、それに伴い外国語の論文校閲の費用も計上する。また、その他の項目として、ソフトウェアのライセンス料を計上していたが、本学では消耗品費として処理しているため項目変更をおこなう。最終年度は、項目変更を行うが申請額に変更はない。
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Research Products
(4 results)