2013 Fiscal Year Research-status Report
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24510195
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
澁谷 正弘 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (00196453)
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Keywords | 職務再設計 / 作業管理 / 中小企業 |
Research Abstract |
本研究は、作業者ごとの作業内容や負担と改善に関する知識を見える化(標準化)し、システマチックに作業改善が行えるシステムを開発することが目的である。平成25年度は、以下のことを実施した。 (1) 大手・中堅企業が先導的、先進的に進めている3つの帳票(作業指示書・標準作業組合せ表・工程別能力表)に着目して分析し効率の良い標準的な作業方法を見つけるために、企業調査および職務再設計に関する資料を分析した。システムを実現するために必要な要件を、(a)人材育成システムの確立、および技術・技能の継承を支援すること、(b)作業者の年齢や性別を考慮した作業の標準化を支援すること、(c)工程の標準化を支援し計画的な生産を支援すること、(d)生産・製造現場において経験や専門知識が不足している管理者でも簡単に利用できるよう支援すること、の4つのサブシステムに集約した。この概念設計については、ICPR22(2013年7月)で発表した。 (2) (1)(b)の研究を行った。作業負担の低減と量産化に対応するため現在の手作業依存から,人的 (Man)作業要素と機械化 (Machine)可能な要素を分類し,人の作業を装置がアシストし負担軽減を可能とする“Man- Machine の協働ライン”を調査し知見を得た。この成果はAPIEM2013(2013年12月)で発表した。 (3) (1)(c)の研究を行った。文献調査により標準作業の導出方法について調べたが先行研究が見つからず、汎用的なソフトウェアの調査及び分析、中小規模の板金加工工場の調査を行った。対象工場の溶接工程に一般的な作業指示書と標準作業組合せ表の適応を試みた。表を拡張し工夫することで作業改善ポイントが明確になることが分かった。途中結果は、第38回日本生産管理学会全国大会で発表した。この成果はAPIEM2014(2014年10月)で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、システムの概念設計を行い目標とするシステムを定義し、目標とするシステムを4つのサブシステムに分割した。4つのサブシステムのうち、中小の企業が職務再設計を行う際に重要と思われる“標準作業導出プロセス”、“標準的な工程導出プロセス”のサブシステム開発に重点を置いて研究をおこうことにした。 平成25年度は、各サブシステムで要求される事項を整理するために、企業調査を実施した。調査結果を基にサブシステムの要件定義を行い、解決法を検討した。解決法を元に簡易なツールを試作、および作業改善で得た知見を国際会議で発表した。しかし、調査対象数が少ないことから、この解決方法は最良の解決方法かどうかを検証できておらず論文投稿までいかなかった。今年度は、更に企業調査をおこない解決方法有効性を検証すると共に産業現場で利用できるシステムの構築をおこなう。 上記の事柄を勘案するとおおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、概念設計にそってシステムの詳細設計および開発をおこなう。以下に具体的な研究計画を示す。 (1) 標準作業書(作業指示書)作成支援ツールの研究開発。具体的には、昨年度に続き工場調査により考案した手法を一般化してエクセルを利用したツールの開発を行う。このツールの要となる作業標準の導出支援メカニズムを再検討するために、工場調査を実施する。 (2) 作業者の年齢や性別を考慮した作業の標準化を支援する手法のデータベース化。具体的には、人の作業を装置がアシストし負担軽減を可能とする“Man- Machine の協働ライン”を調査し得た知見をデータベース化して作業の標準化を図る際のヒントとして利用できるようにする。 (3) 製造現場で“いつでもどこでも”利用できる道具の具現化。具体的は、企業調査などにより利用法を把握しシステム上で具現化できる項目を検討する。具体的には、産業現場で簡単に利用できるようタブレットなどの情報端末から利用できないか検討する。
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Research Products
(3 results)