2013 Fiscal Year Research-status Report
大規模確率計画問題の効率的解法の開発と投資リスク管理への応用
Project/Area Number |
24510198
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
椎名 孝之 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (90371666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 春暉 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (70279058)
高嶋 隆太 東京理科大学, 理工学部, 講師 (50401138)
森戸 晋 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50134193)
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Keywords | 数理計画法 / 確率計画法 / 整数計画法 / 分枝限定法 / リスク測定 / VaR / サプライチェーンマネジメント / 発電機起動停止問題 |
Research Abstract |
(1)確率計画法の理論、解法アルゴリズムの研究については、変動に応じた追加決定を表すリコース変数に整数条件を有する多段階確率計画問題および、費用の変動の分散を考慮した確率計画問題を対象として、前年度の分析を継続し、新たな解法の研究を行った。このような問題は厳密解を求めるのが困難である。問題が非凸型になりしかも非連続になる場合があるからである。今年度は 特に椎名-多ヶ谷-森戸(2010)で開発した分枝カット法の効率化を検討し、より効率的な解法の開発を行っている。 (2)期間市場リスクのモデリング方法については、確率計画に基づき期間リスクを反映出来る指標を提案し、その指標に基づくリスク測定方法を分析した。現在リスクの標準指標であるVaRを拡張して、計画期間内のリスクを反映した期間VaRを考えた。期間内の市場変動考慮した期間VaRの解析的な数値計算方法を開発した。 (3)SCMにおける最適化問題への応用を検討した。ロジスティクス・ネットワーク再編成問題を期待費用最小化モデルおよび,CVaR最小化モデルとして示し,L-shaped法による解法を示した.数値実験ではシナリオ数が増加した際,分枝限定法より本研究のアルゴリズムが有効であることが分かった.またCVaR最小化モデルでは期待費用最小化モデルよりも期待費用はわずかに上昇する一方で,最悪のシナリオでは費用を抑えることができることを示した. (4)電気事業における応用として、起動停止問題(Unit Commitment)を考えた。この問題は発電機のスケジューリング問題で,古くから多くの研究が行われてきた.そこで本研究では,列生成法を利用した起動停止問題の新解法を提案し,その性能を数値実験により評価している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
確率計画法の理論、解法アルゴリズムの研究については、逐次線形近似法および分枝カット法による解法アルゴリズムの効率化を行っており、これらの有効性を示すことが可能である。 期間市場リスクのモデリング方法についても、新たな計算方法を開発中である。 SCM、発電機起動停止における最適化問題への応用に関しても、数理計画モデルと効率的な解法を開発している。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)確率計画法の理論、解法アルゴリズムの研究については、以下のような解法アルゴリズムの研究を行う予定である。確率計画でよく用いられる分解法であるL-shaped法の効率化を行い、変動に応じた追加費用関数の近似を正確に行い、問題を解く分枝カット法などのアルゴリズムの開発を予定している。 (2)期間市場リスクのモデリング方法については、期間VaRの定義と計算方法をすでに解析した。そして、期間VaRをリスクとする資産運用モデルの解析を行う。この問題は確率計画モデルであり、(1)で開発した手法の適用も考えている。現段階では、最適解法アルゴリズムを示した。次に、実用性および効率性を考慮し、実用規模のモデルを扱うことのできる手法を開発する。非常に複雑かつ最適解を得ることが困難なモデルに対しても、近似解法を提案することを考えている。 (3)SCMなどの最適化問題への応用に関しては、対象となる問題を確率的整数計画問題として定式化した上で、この問題に対する解法アルゴリズムの開発を行う。まず確率変動制約を全てのシナリオについて記述することにより直接的に問題を解く方法が考えられる。これは、等価な大規模問題変換を対象とした、分枝限定法などの整数計画アルゴリズムの適用であるといえる。このような直接的な整数計画アプローチによると、計算時間が長くなるため最適解を求めることは困難であると予想される。従って、整数条件を考慮した分解型アルゴリズムによる解法を開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度以降に国外での論文発表を行うため。 論文発表のための旅費、または消耗品などの購入として使用する予定である。
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Research Products
(16 results)