2013 Fiscal Year Research-status Report
不動産投資にファイナンス理論を適用するための理論構築と実証分析
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24510204
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
石島 博 中央大学, その他の研究科, 准教授 (20317308)
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Keywords | 不動産と金融資産 / 動学的確率的一般均衡 / ファイナンス / 金融工学 / 理論と実証 / 混合効果モデル / リスクとリターン / インデックスと指数 |
Research Abstract |
本研究では、不動産を金融資産と同様、最新のファイナンス理論によって統一的に分析すべく、その橋渡しとなる理論構築と実証分析を行うことが目的である。具体的には、2つの研究テーマに取り組むことを目的としている。 【研究テーマ 1】不動産のリターンを高頻度な時間間隔で生成する理論と統計分析法の確立 【研究テーマ 2】不動産のリスクとリターン特性の金融資産との比較解明 H25(2013)年度は、上記の2つのテーマに沿った研究を行い、国内外の学会発表や学術研究論文として結実することができた。その研究成果は以下の2つの研究項目として要約される。(1) 不動産価格の擬似リターンの生成方法、および統計モデルの提案: 昨年度に引き続き、実際には一定の時間間隔で観測されない不動産価格およびリターンを擬似的に生成するため、適切な統計モデルに基づいた方法を精緻化した。具体的には、擬似的なリターンを、市場全体の要因、クラス(層区分)ごとの要因、そして個別要因の3つのファクターに適切に分離して生成する方法を確立した。 (2) 不動産投資を組み入れた最適ポートフォリオ選択とそのリスク・リターン特性の分析: (1)の方法により適切に生成された不動産の擬似リターンに基づき、不動産投資にファイナンス理論を適用する基本的な方法を確立した。その適用例として、わが国における不動産投資のリスク・リターンの特性を、Markowitz流の平均分散モデルの枠組みで、株・債券等の伝統的金融資産やコモディティなどのオルタナティブ投資と比較しつつ明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果は、国内外の学会発表や学術研究論文として結実することができたという点で、おおむね順調に進展していると言える。 ただし、今年度予定していた、2つの研究テーマに沿った研究項目の1つであった「不動産と金融資産のリターンの間に存在するリード・ラグ分析」については、継続分析中である。 昨年の成果である、不動産価格およびそのリターンの理論モデルの特色は、均衡不動産価格のみならず、均衡金融資産価格と均衡不動産賃料も同時に導出される点にあった。この特色により、定常状態における、不動産取引市場のリターンと金融資産取引市場のリターンとの間に成立する関係式「不動産と金融資産のパリティ」を基礎とした適切な統計モデルを構築した。これを用いて、不動産価格のリターンと、株式等の金融資産のリターンとの間のlead-lag構造を明らかにすべく実証分析を行った。この実証分析については、いまだ公表には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も上述の2つの研究テーマに沿って、以下の研究項目に取り組むこととする。 (A) 不動産と金融資産の相互依存リスク分析:昨年までの研究において、不動産のリスクリターン構造が、わが国の資産運用においては非常に好ましい性質を有し、欠くことのできないアセットであることが明らかになった。そこで、研究代表者のこれまでの研究成果を利用して、不動産と金融資産の相互依存リスクの構造をより精緻に分析することとする。 (B) 研究成果を実装した不動産投資情報システムの開発:研究代表者のWeb上のシステム開発実績を生かし、本研究成果をWeb上のシステムとして公開する。つまり、Google Earth/Maps上に住宅が立地する座標にピンを打ち、これをクリックすると実際の市場価格に加えて、本研究成果で得た理論上の価格やリスクを表示するとともに、その乖離を色分け表示する。さらに、時間とともに価格やリスクがどのように推移するかも表示する。つまり、地理情報システム(GIS)上にファイナンス理論・金融工学を展開する新しい分野への挑戦としたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者が在外研究中につき、僅か一部について、予定通りの予算執行が行えなかった。ただし、研究計画に与える影響は非常に軽微である。 予定通りの予算執行が行えなかったのは研究計画の僅かに一部であり、また、本年度は研究代表者が在外研究を終えるので、当初の研究計画どおりに研究を遂行したいと考えている。
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Research Products
(6 results)