2012 Fiscal Year Research-status Report
生産座席方式を用いた多品種受注設計生産システムに関する研究
Project/Area Number |
24510206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
翁 嘉華 早稲田大学, 理工学術院, 助教 (40367040)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
2012年度は、受注設計生産(ETO生産)に関する研究の第一報として、ETO生産の受注をスムーズに行えるように、顧客からの要求を製品仕様そして製品構造まで自動的に展開できるような製品受注支援システムを開発しました。具体的には、工作機械メーカー及びそれらの製品を用いて生産活動をする企業から、製品(工作機械)に関する仕様項目を調査し、顧客の製品に対する要求(何をできるなど)を表現できるような要求仕様を設計しました。また、穴開け加工機を例に、要求仕様を製品の仕様(寸法など、以下は製品見積仕様と呼ぶ)や製品の部品構成(以下は部品仕様と呼ぶ)まで展開する関数を開発しました。更に、部品材料費と部品在庫コストを合わせた総コストの最小化を目的関数とした、製品見積仕様項目値の設定アルゴリズムを開発しました。穴開け加工機を例として開発した要求仕様や製品見積仕様の項目や、仕様間の変換機構の妥当性を専門家へのインタビューによって検証をしました。また、コストを考慮した製品見積仕様値の設定は、顧客の要求を満たした上で、部品在庫コストを低減できること数値実験より検証をしました。 なお、2012年度の成果を国際学会(2012 Asian Conference of Management Science & Applications), 及び国内学会(日本生産管理学会第36回全国大会)で発表し、修正を加えた内容を論文誌に投稿しました。投稿した論文は査読中の状態です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、顧客要求仕様の設計や、要求仕様の製品見積仕様や部品仕様までの展開方法について開発ができました。ただし、論文査読に時間を要するため、投稿した2本の論文は、現時点で評価結果が出ていない状況です。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度以降は、対象の受注設計生産に適した生産システムの設計に焦点を当てます。その際に、提案の座席を用いた生産システムの基本機能を部品手配、生産計画と受注引当の三つとし、それらの観点を充足した上で、生産座席の種類・数の設計を行う予定です。従来では、一つの座席には一つの製品品種しか対応できないのに対して、本研究は、対応できる膨大な製品群をグループ(製品見積仕様項目・値の組み合わせ)に分け、そのグループを生産座席枠とする方法を提案する予定です。本年度は、この発想の効果を確認する為に、部品在庫や生産効率などの視点でシミュレーションによる予備検討を行います。また、予備検討で得られる知見を、生産座席の種類・数決定時のルールとして活用する予定です。対象問題の規模が大きい為、遺伝的アルゴリズムというメタヒューリスティック手法の一つを用いて、期待利益が最大となるような生産座席の種類・数の決定アルゴリズムを開発することを考えています。その上で開発した座席方式を用いた生産システムを従来の受注生産システムとの比較により効果を確認する予定です。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度も、ETO生産を行っている企業での調査や、得られた研究成果の学会での発表や学術論文誌への投稿を予定としておりますので、それらの遂行に関わる旅費や投稿費用が必要です。また、調査のための図書資料費やデータ分析の為のTA費も必要と考えておりますので、引き続きご支援をお願いいたします。
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