2012 Fiscal Year Research-status Report
技術プラットフォームに基づく機能設計を含む構造・作業工程同時設計システムの開発
Project/Area Number |
24510214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒川 雅裕 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70288794)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 製品・技術プラットフォーム / データベース / BOM / 作業評価 / 部品配置 / 多目的進化型アルゴリズム / モジュラーデザイン |
Research Abstract |
平成24年度は製品のアーキテクチャに着目し,生産技術や製品の機能・構造に関する設計情報を持続的に管理するためのデータベースシステムの開発を試みた。このシステムでは異種情報を関連づけた複数の表を用意し,異種情報間の参照をリアルタイムで行う機能を持つ。具体的には参照対象とする生産情報には,製品の部品表(e-BOM),要求特性(機能),技術機能(機能を実現するための技術),品質要求,作業の品質情報,計画情報などを想定し,各情報を関連付ける2次元テーブルを組み合わせ,表を選択することで必要な情報を逐次参照し,部品や製造情報を改良する仕組みを持つ。これより,キーとなる情報に着目することで,特定部品と機構に関して製造方法や製品構造の改良,保有技術の長期的な発展とその技術に関連する持続的な製品開発のプロセスの管理を実現できる。本システムでは生産情報に利用して以下の処理を実行するサブシステムを連携する。 (1)製品の機能と環境負荷を同時考慮するモジュールの設計システム (2)製品設計段階で作業困難さを評価するとともに作業順序を生成するシステム (3)製品の要求機能から,製品の構造や機構を具現化する意思決定を支援するシステム 今年度の研究では,(1)から(3)について具体的な方法の提案,情報システムの設計を行い,各サブシステムを連携する2次元テーブルの設計と製品の設計段階での運用(改良)プロセスを開発した(現在開発中である)。また,持続的な製品開発のための製品プラットフォームと技術プラットフォームの適用法を提案し,情報システムの運用法を示した。本研究では作業方法を評価し,部品配置を自動設計するためのアルゴリズムの開発を予定している.さらに本年度は効率的な探索を行うための多目的進化型アルゴリズムを開発し,配送計画問題に適用しており,次年度以降に部品配置の自動設計に対するアルゴリズムに拡張予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的とするデータベースシステムの開発が70%ほど進んでいる.本研究では未予定であった製品・技術プラットフォームによる持続的な製品開発の運用法の提案とともに,生産関連情報の利用方法が提案できた。また,部品配置の自動設計システムのための多目的進化型アルゴリズムが(別の応用対象について)開発が行われて,有効性が検証されている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度(平成25年度)は,本年度(平成24年度)に開発中のデータベースシステムを完成予定である。また,部品配置や製品構造により作業困難さを評価し,部品配置を自動設計するためのアルゴリズムの開発を行う。アルゴリズムの開発では,本年度に開発した多目的進化型アルゴリズムを拡張し,上記のデータベースシステムと連携することで実現させる。作業困難さの評価と部品配置の設計においては評価項目に対する重回帰分析と実験計画法の情報を連携させ,部品配置によって作業困難さを評価するアルゴリズムとして構築する。さらに,部品配置と部品組み立て順序の操作を行い,作業を容易にする配置案と部品組み立て順序を決定するアルゴリズムの開発を行う。現状でのアルゴリズムには遺伝的アルゴリズムを利用しているが,将来的にはPSOを導入する予定である。これにより,探索時間の削減が期待できる。さらに,現在の製品設計に必要とされるモジュラーデザインの自動化システムの開発を予定している。過去の研究において,対話的な情報操作を含み,環境と機能に着目したモジュラーデザインの方法を提案し,情報システム化を行った。次年度以降では設計者の対話による意思決定を自動処理するシステムとして開発し,要求機能と環境の情報から自動的にモジュールを自動設計するアルゴリズムを開発する。この自動設計のシステムにおいても,上記のデータベースシステムの連携と,要求機能と環境に関する多目的関数に対する探索アルゴリズムを必要とする。これらのデータベースシステム,および部品配置とモジュラーデザインの自動設計のための進化型アルゴリズムの開発の完了後,現実問題に対して検証を行い,システム及びアルゴリズムの有効性を検証する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データベース(システム)の開発のためのデータベース用コンピュータ(1台)の購入とアルゴリズム開発用のコンピュータ(1台)を申請する(DELL(XPS14))。また,結果検討のため,シミュレーションソフト(Arena:日本モデリングシステム)を購入予定である。 また,次年度(平成25年度)では研究成果発表のため,3~4本の論文投稿(海外学会誌への投稿を含める)を予定している。このため,英文校正料や論文の投稿料への研究費の利用を予定している。(なお,現在投稿論文で受理中1本も含む。) また,研究成果の報告のため,APIEMS(Asia Pacific Inductrial Engineering and Management Society), 日本経営工学会,日本機械学会生産システム部門などでの学会発表を予定している.このため,国内外への学会参加のための旅費(国内3回分,国外2回分)を申請している.
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