2015 Fiscal Year Annual Research Report
女性における荷物取り扱い作業時の身体的負担に関する研究
Project/Area Number |
24510215
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
佐藤 望 近畿大学, 社会学部, 准教授 (60268472)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 荷物取り扱い作業 / 性差 / 生体負担 / 系統的レビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は単独および複数の作業者による荷物取扱い作業時の身体的負担に関する論文について系統的レビューを行うことにより,女性における当該研究領域における研究動向および今後の課題について検討した。 論文の選定基準は,査読システムのある学術雑誌に公表されていること,英文であること,過去20年以内に発行されていること等とした.また,論文検索のキーワードには,manual handling, lifting, load, workload, team lifting, female, gender, sex differences 等とした.データベースは,Pubmed, Google Scholar等を使用した.キーワード検索により選定された論文のうち,データベース間で重複する論文,選定基準に適合しない論文等を除外し,最終的に18件の論文をレビュー対象とした.レビューの結果,単独の作業者を対象とした研究では,体系的に性差を検討している研究は極めて少ないこと,包括的数理モデルを構築し身体的負担に関わる要因について多角的に検討がなされている研究が認められるものの,実験室実験により性差を検討しているものは極めて少ないこと,取り扱う荷物の寸法,持ち手の位置などについて女性を対象として検討を行っているものは僅かであることが明らかになった.複数の作業者を対象とした研究では,過去15年間で当該研究領域の研究数は増加しているものの,複数の作業者による荷物取り扱い作業特有の危険因子について女性を対象とし検討を行っているもの,性差を検討しているものは僅かであることが把握された.以上より,当該研究研究領域では,対象者に男性,女性双方を含み性差を検討すること,女性特有の生理学的危険因子についても焦点を当て早急に検討を行う必要があることが示唆された.
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