2012 Fiscal Year Research-status Report
アジアにおける大気汚染物質排出量の推定のための道路交通特性を推定する方法の開発
Project/Area Number |
24510216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | SALESIAN POLYTECHNIC |
Principal Investigator |
島川 陽一 サレジオ工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10446239)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 利用者均衡配分 / バンコク首都圏 / 非幹線道路交通量 |
Research Abstract |
一般的に利用者均衡配分を用いて交通需要予測を行う場合には起終点交通量データとデジタル化された道路ネットワークが必要である。(この道路ネットワークには道路の接続関係だけではなく、交通容量・車線数や法規制が必要であり、さらに精度のよい交通量配分計算を行うには周辺土地利用状況もあった方がよい。)日本をはじめとした先進国では交通統計データはよく整備され、デジタル地図データも詳細な属性を持ったデータが刊行されている。(交通需要予測を精度よく行えるようにデータが整備されているといっても過言ではない。) 本研究ではこのような背景のない発展途上国を対象としているところにその難しさがある。24年度には交通統計データとデジタル道路地図を入手し、地理情報システムを用いて計算に必要とされるデータの構築、統合・分析を行った。ここでは得られたデータの精度やクセに関して様々な問題に直面し、試行錯誤を重ねる結果となった。実際に利用者均衡配分計算を行うに当たって関係政府機関がまとめた交通統計と民間の地図刊行会社(本研究では英国の測量会社)が刊行するデジタル地図データとの間で整合性を取らなければならなかった。(政府機関と民間のデータの統合利用という点でも難しさがある。)ここでは新たに整合性についての問題が発見され、その対処方法を検討した。本検討は様々な解決策のなかの一つであると考えられるが、具体的な対処方法とその限界が明らかにできた点で意義があると考えられる。(この整合性の問題は次の研究テーマになると考えられる。)これらの検討については整理して25年度以降に成果を公表し、東南アジア大都市での交通量を予測もしくは利用した発展的研究の知見としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請時の予定では①バンコク首都圏での起終点交通量を修正し、②地理情報システム(GIS)を用いてデジタル地図データから道路ネットワークを抽出して交通量配分を実施する段階までを予定していた。デジタル地図については東南アジア一帯のカーナビゲーションシステムで使われる地図データの制作会社から入手したが、当制作会社に学術利用の実績がなく使用ライセンスの形態について協議することになり入手までに時間がかかった。また、入手データが国際的なGISデータのフォーマットに適合しておらず、データの変換にも時間を要した。バンコクの交通統計データの調査区域とネットワークの精度の整合性をとるのに時間がかかり実際の配分は24年度3月まで遅れた。以上から③「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は地理情報システムによる分析とデータの構築において予想以上の時間が消費されたが、研究計画の変更が必要とは考えていない。したがって、25年度以降も予定通り推進する。遅れについては25年度の後半から検討を予定している配分交通量と衛星画像による交通量の比較・検討、また東南アジア特有の交通特性の整理において取り戻す予定である。 25年度は衛星画像から交通量を推定する予定である。当初考えていた地域より大きな地域での画像が必要になると考えられ、衛星画像の入手で当初の予算額を上回ることが予想される。これについては予算の範囲内で対応する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度研究は予定の範囲内でほぼ使用したため、今年度に新たに使用する計画はない。
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Research Products
(2 results)