2013 Fiscal Year Research-status Report
RF-IDシステムによる暴風雪悪視界下のインタラクティブナビゲーション
Project/Area Number |
24510221
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 武 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80234128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏 達也 北見工業大学, 工学部, 教授 (30211155)
田口 健治 北見工業大学, 工学部, 准教授 (60435485)
岸本 恭隆 北見工業大学, 工学部, 助教 (90261403)
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Keywords | 暴風雪 / 悪視界 / ナビゲーション / RF-ID |
Research Abstract |
北国での冬季間特有の降雪による悪視界下での車両のナビゲーションシステムをUHF帯RF-ID(Radio Frequency Identification)タグ,アンテナ,リーダライタなどから成るシステムを用いて構成し,実用化を目的としている。平成25年度は研究計画遂行の2年目であるため,平成24年度での準備状況を踏まえ,実験環境を整えることとした。 1) 総務省の方針によるUHF帯RF-IDシステムの使用周波数帯の変更により,システムを6月から10月にかけて交換した。まず,基本性能の把握やRF-IDタグをアスファルト道路に埋設した場合の実験道路上での交信条件を調べ,直線道路上の誘導の車両誘導のためのRF-IDタグの配置を行った。ここでは,2アンテナシステムで昨年度までに得られた状況を復旧させることに力点を置き,ほぼ同様の実験環境を再現できた。 2) 降雪による悪視界環境の再現のため,気泡梱包材を運転者側のフロントウインドウ及びサイドウインドウおよびリアウインドに貼り付け,運転席と助手席の間にカーテン状に間仕切りをすることにより,運転席からの視界を遮断した。これにより運転席からは外の状況が視認できない環境を作った。ただし,実験の安全確保のために助手席の視界は得られるようにしており,さらに外からの指示がわかるように助手席の実験者にはトランシーバで屋外監視員と連絡が取れるようにしている。 3) 交差点の誘導のためには,自車の進行方向の把握とその地点での理想的な進行方向の情報が必要となる。このために自車の進行方向を知るためにINS(Inertial Navigation System)をシステムに組み込み,磁気情報により車両の進行方向を得て,運転指示用のGUI(Graphical User Interface)にこの情報を反映させた。これにより,まず直線路での誘導実験を行った。 4) 交差点での誘導のためのRF-IDタグの配置と各RF-IDタグ毎に理想的な誘導方向を考えて,交差点を含む道路にRF-IDタグを埋め込んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関係規則の改正に基づき,平成24年度8月にソフトバンクモバイルより周波数帯移行手続きの通知があり,平成25年6月より現有システムの全てを入れ替える作業を始めた。新システムは使用周波数が950MHzから920MHzに変わり,電波送信方式も変更となった。これにより,新システムのアスファルト中のタグとアンテナの交信可能範囲の測定など,本研究を遂行する上で必要となる基礎データの収集と実験線の撤去・新規作成作業が入った。新システムの初期不良によるリーダライタの交換などのアクシデントもあり,試験走行,旧システムの廃棄などを含めて,新システムへの移行完了が10月までかかった。これにより,平成25年度に行うべき研究・実験の進捗に影響が出て,全体的に遅れぎみである。
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Strategy for Future Research Activity |
1. UHF帯RF-IDシステムが新周波数帯に移行し,新システムの基本的な性能の把握および本研究特有のアスファルト中のタグとの交信範囲などの再測定,直線路の誘導実験などが終わり,交差点へのRF-IDタグの埋め込みも終えた。まずは,越冬後のRF-IDタグの状況を調べ,交差点での誘導実験の準備を行う。これにはGraphical User Interfaceの整備などが含まれる。 2. 直線路の誘導実験なども繰り返し,交差点での誘導実験も行う。この実験により,得られた知見でさらに運転しやすい誘導方法などを探る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
総務省の方針により,ソフトバンクモバイル社がUHF帯RF-IDシステムの使用周波数帯変更の手続きを行った。この手続きの案内が平成24年度中にあり,新システムに使うべく平成24年度の支出も減らした。機種更新が遅れて平成25年度に本研究での主使用機器であるUHF帯RF-IDシステムすべての入れ替えを行い,交信範囲の測定,調整,RF-IDタグの除去および埋設に研究機関中の6月から10月の約5か月を要した。このため,本来であれば,本研究に充てるべき時間が使用周波数帯移行作業に割かれ,本研究の進捗にも影響を与えた。これに伴い本年度の使用額も少なくなり,平成24年度からの繰り越し分も含めて次年度使用額が生じた。 本年度は,本申請研究の最終年度にあたるため,遅れ気味の研究を進め,同時にこれまでに得られた知見を積極的に国際会議等で発表,公開する。このための旅費および研究推進に関わる消耗品等に次年度使用額を充当する。
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Research Products
(11 results)