2014 Fiscal Year Research-status Report
客観的根拠に基づく津波防災情報及び豪雨防災情報のあり方に関する研究
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24510224
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
牛山 素行 静岡大学, 防災総合センター, 教授 (80324705)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 豪雨災害 / 津波災害 / 災害情報 / 防災計画 / 被害軽減 / 人的被害 |
Outline of Annual Research Achievements |
防災気象情報に対する認識,利活用状況に関する調査を進め,「大雨特別警報に対する洪水浸水想定区域付近の住民の認識」,「防災気象情報に対する市町村防災担当者の認識」,「記録的短時間大雨情報と災害との関係について」,「土砂災害に対する避難勧告等の実用的な基準の検討」,「災害情報面から見た近年の市区町村防災体制の変化について」などとして報告した. 豪雨災害,津波災害による犠牲者の特徴分析についても検討を進めており,「三陸地方における東北地方太平洋沖地震による津波犠牲者率と素因の関係」,「2013年10月16日台風26号による伊豆大島土砂災害」,「2004~2014年の豪雨災害による人的被害の原因分析」,「平成25年台風26号による伊豆大島豪雨災害の特徴」,「2013年伊豆大島および2014年南木曽町での豪雨災害時の犠牲者の特徴」,「2014年8月広島豪雨災害時の犠牲者の特徴」などとして報告している. これら研究成果は気象庁,内閣府,国土交通省,消防庁等の各種検討会を通じて報告され,国の政策決定過程の基礎情報として活用されているほか,2013~2014年度中だけで約400件に及ぶ新聞・テレビ報道を通じて社会においても活用されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画として挙げた「基礎調査としての津波災害時及び豪雨災害時の犠牲者発生状況とその際の災害情報の関係についての調査推進,データベース構築」,「標高認知あるいは他の地域属性と防災意識・行動の関係について,条件の異なるいくつかの地域を対象とした住民や各種機関の意識調査の実施」,「近年整備された災害情報に対する住民の認知・理解状況の把握」のいずれについても調査に着手,または調査結果の整理を行っており,特に作業の遅れは生じていない.
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Strategy for Future Research Activity |
東日本大震災およびこれまでに発生した豪雨災害を対象とした,「基礎調査としての津波災害時及び豪雨災害時の犠牲者発生状況とその際の災害情報の関係についての調査推進,データベース構築」,「近年整備された災害情報に対する住民の認知・理解状況の把握」をさらに進める.年度途中に発生した災害事例についても機動的に調査を実施する.今年度は最終年度としての整理を進めたい.
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Causes of Carryover |
平成26年度に発生した広島豪雨災害等の大規模災害に関する被害情報等の一部が公的機関から公表されるのが年度末となり,これらを活用した解析および研究成果の公表が行えなかったため未使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に発生した豪雨災害の被害に関する解析および学会発表を次年度に行うこととし,その経費に充てたい.
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