2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
渕 真輝 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 助教 (20362824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 昌志 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (70314515)
臼井 伸之介 大阪大学, その他の研究科, 教授 (00193871)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 霧中航行 / 船舶 / 衝突回避 / 判断 / ヒューマンファクタ |
Research Abstract |
船舶は霧中においてもレーダー等の機器により他船などの存在を検知できる機器を装備している。しかしながら、霧中における衝突事故が後を絶たない。事故防止のためには操作する人間に関わる要因、すなわちヒューマンファクタの面からの対策も重要である。船舶の衝突を防ぐために海上交通ルールがあるが、このルールの特徴はルールの適用時機や衝突回避時機といった重要な判断時機について明確な基準がないことである。また相手船を目視で見ることができる状況と、レーダーなどで相手船の動静が目視で見えているように把握できるものの相手船を霧などで目視で見ることができない状況とでは、ルールが大きく異なることも特徴である。船舶の衝突事故報告からはルールに従わずに衝突に至ったケースが1/4ほどあることが指摘されている。 以上の背景から、本年度については実態を把握するためにヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査は、操船シミュレータインストラクタと船舶を運航する操船者を調査対象とした。操船シミュレータインストラクタについては2名、また操船者については、大型フェリー、国内航路貨物船、外国航路貨物船を運航する合計41名にインタビュー調査を実施した。インタビュー内容は、霧などで相手船を目視で見ることができない状況で経験したヒヤリハット経験、どの程度の距離で衝突を回避しているか、レーダー画面を模擬した航海場面に対する避航方向とその理由等であった。 調査の結果、操船シミュレータインストラクタ2名からは、レーダー等の機器の使用方法とそこから得られる情報の利用について問題がある操船者が存在すること、また海上交通ルールの理解不足者がいることが指摘された。操船者に対するインタビューからは、相手船の理解しがたい操船行動を多く経験していること、判断時機は普段操船する船舶の大きさに影響を受けること、避航方向とその理由に関する情報が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画していた操船者に対する事例ヒアリング調査、操船シミュレータインストラクタへのヒアリング調査は順調に実施することができた。またリスクテイキングおよび違反に関する文献調査についても順調に実施することができた。 一方で、ヒアリング調査に時間を要したため、質問紙の検討・作成が十分に行われておらず、上述の達成度と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている質問紙の検討・作成を至急進め、質問紙調査を実施する。質問紙の検討・作成に当たっては、ヒアリング調査の内容を十分に反映させること、調査協力者に負担にならないような分量とすることに注意する。 質問紙調査は操船者と養成教育中の学生に対して実施する。特に操船者については業務中であること、船上勤務が続くと陸からのアクセスが難しいという特徴があるため、運航中の船舶船上に加えて陸上勤務中の操船経験者を含め協力を依頼する。 収集した質問紙については都度データ入力を行う。 年度末には調査結果を分析し傾向を明らかにし、教育プログラムを可能な限り早期に検討する。 また昨年度のデータおよび今年度のデータから学会発表等を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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