2012 Fiscal Year Research-status Report
パッシブダイナミック制御適用空気圧ゴム人工筋アクチュエータの開発
Project/Area Number |
24510230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
清田 高徳 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (00195405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南山 靖博 久留米工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (20549688)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 安全工学 / 制御工学 / メカトロニクス / 空気圧アクチュエータ |
Research Abstract |
1)2リンクPDC空気圧ゴム人工筋マニピュレータの安全高精度制御に関する研究:申請者らが提案している本質的安全設計に基づく制御方式「パッシブダイナミック制御(PDC)」を適用するため、MRブレーキと必要なセンサを取り付けた空気圧人工筋2リンクマニピュレータを開発した。PDCでは、比例弁は用いずにON/OFF弁だけを使用し、MRブレーキの操作によって制御を行う。2本のアームは軸によって接続するが、元のアームの先端には軸受が設置されているため、先端アームは元アームの駆動の影響を受けない構造である。この装置を用いて、水平面における軌道追従制御を行った。連続位置決め制御と円軌道追従制御実験において、PID制御との比較を行い、良好な結果が得られた。円軌道追従は、提案したブレーキ操作方法の有効性が確認できた。続いて、新しいメカニズムの2リンクマニピュレータを開発した。 2)PDC空気圧ゴム人工筋アクチュエータの重量物持ち上げ制御に関する研究:PDC空気圧ゴム人工筋アクチュエータを鉛直方向に設置した構造の1リンク実験装置を製作し、重量物の位置決め制御実験を行った。基礎実験では、PID制御と比較して、PDCの効果を確認した。この研究では、バランス操作とブレーキ力の調整が重要になるが、この点で問題点が見付かり、その対策を検討中である。 3)囲い込み制御に関する研究:ブレーキを用いる軌道追従制御「囲い込み制御」を揺動型空気圧シリンダを用いた2リンクマニピュレータに適用し、制御法の有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1)2リンクPDC空気圧ゴム人工筋マニピュレータの安全高精度制御に関する研究:ほぼ計画通り運んでいる。空気消費量と電力消費量の比較は、基礎実験においては、PID制御と比較してPDCの優位性は得られなかった。これは、使用するデバイスの影響が大きいと考えられ、詳細な比較検討は今後の課題である。 2)PDC空気圧ゴム人工筋アクチュエータの重量物持ち上げ制御に関する研究:やや遅れている。1リンクの基礎実験で、PID制御に対する優位性は確認できたが、予想していなかった問題点が見付かり、24年度に製作予定だった2リンク実験装置は、設計段階でペンディング状態である。基本方式にこだわる方法、従来の制御を併用する方法、力制御の検討など、方策を検討中である。 3)PDC併用制御に関する研究:概ね計画通りに進んでいる。久留米高専で、揺動型空気圧アクチュエータを用いる2リンクシステムに対して「囲い込み制御」を適用し、軌道追従制御実験を行った。スライディングモード制御との比較を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)2リンクPDC空気圧ゴム人工筋マニピュレータの安全高精度制御に関する研究:新たな実験装置の不具合を直し、PID制御との比較実験を行う。連続位置決め制御、円軌道追従制御、任意軌道追従制御において、より効果的なブレーキ制御方法を開発するとともに、安全性の検証実験を行う。 2)PDC空気圧ゴム人工筋アクチュエータの重量物持ち上げ制御に関する研究:問題点を解決し、1リンクで確認後、2リンクの実験装置を開発する。基本PDCに基づく方法と、従来の制御を併用する方法を検討すると共に、力制御に関する研究を進める。 3)PDC併用制御に関する研究:囲い込み制御に関する実験を進め、その結果に基づいて併用制御を検討する。 4)PDCを包含する安全な制御に関する研究:今年度から取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主に、持ち上げ2リンクシステムの材料費と製作費、現有の実験装置の改良に必要な経費、実験用消耗品費、国際会議参加旅費と参加費、国内学会出張旅費と参加費に使用する。この他、必要に応じて電源や計測器類、パソコン、ソフトなどを購入する。
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