2013 Fiscal Year Research-status Report
パッシブダイナミック制御適用空気圧ゴム人工筋アクチュエータの開発
Project/Area Number |
24510230
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
清田 高徳 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (00195405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南山 靖博 久留米工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (20549688)
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Keywords | 安全工学 / 制御工学 / メカトロニクス / 空気圧システム |
Research Abstract |
1.2リンクPDC空気圧ゴム人工筋マニピュレータの安全高精度制御に関する研究:申請者らが提案しているパッシブダイナミック制御(PDC)を適用するため開発した空気圧人工筋2リンクマニピュレータ実験装置を用いて、水平面における連続位置決め制御と円軌道追従制御実験において、PID制御との比較を行い、良好な結果が得られた(論文2)。さらに、大きな負荷に耐えられる新しいメカニズムの2リンクマニピュレータを開発し、有効性を検証した。 2.PDC空気圧ゴム人工筋アクチュエータの重量物持ち上げ制御に関する研究:鉛直方向に設置した1リンク実験装置を用いて、重量物の位置決め制御実験を行った。持ち上げ制御では、移動によって基本の平衡状態が崩れるという問題点に対し、PDC併用制御法を適用し、有効性を確認した(発表3)。また、平衡装置と移動装置を分けるメカニズムを検討し、実験装置を作製中である。さらに、拮抗型の2リンクマニピュレータを作製し、持ち上げの位置決め制御実験を行った。 3.PDC併用制御システムの検討:PDCにPID制御を併用する制御法を提案し、1リンク実験装置により有効性を検証した(発表3)。2リンクマニピュレータに対しては、制御法を検討中である。 4.PDCを包含する安全な制御に関する研究:ブレーキを用いる軌道追従制御「囲い込み制御」を揺動型空気圧シリンダを用いたマニピュレータに適用し、1リンク実験装置ではスライディングモード制御との比較を行い、2リンク実験装置では軌道追従制御実験により、それぞれ有効性を示した(論文1;発表1,2)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.2リンクPDC空気圧ゴム人工筋マニピュレータの安全高精度制御に関する研究: おおむね計画通り運んでいる。拮抗型の2リンクマニピュレータを異なるメカニズムで2種類作製し、軌道追従制御実験によりブレーキ制御に基づくPDCの有効性を示した。制御に数学モデルを必要としない制御であるが、PID制御より精度良い制御が実現できた。 2.PDC空気圧ゴム人工筋アクチュエータの重量物持ち上げ制御に関する研究: おおむね計画通り運んでいる。昨年度、1リンクの基礎実験で見付かった問題点を解決する方策を2つ考案し、PDC併用制御システムが有効であることは示すことができた。もう一つの方策に関しては、実験装置を作製中である。 3.PDC併用制御システムの検討: おおむね計画通り運んでいる。上記持ち上げ制御において、1リンク実験装置でPID制御を併用する制御法が有効であることを示した。さらに、開発した2リンク実験装置を用いた基礎実験を行っている。 4.PDCを包含する安全な制御に関する研究: やや遅れている。揺動型空気圧アクチュエータを用いる2リンクシステムに対して「囲い込み制御」を適用し、スライディングモード制御との比較を行った。しかし、安全な制御に関する考察はまだである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.2リンクPDC空気圧ゴム人工筋マニピュレータの安全高精度制御に関する研究: 引き続き、現有の実験装置で制御性の向上を目指す。さらに、拮抗型人工筋と揺動型シリンダを組み合わせたマニピュレータを開発中であり、連続位置決め制御や軌道追従制御において、より効果的なブレーキ制御方法を開発するとともに、安全性の検証実験を行う。 2.PDC空気圧ゴム人工筋アクチュエータの重量物持ち上げ制御に関する研究: 開発した2リンク実験装置を用いて、基本PDCに基づく方法と、従来の制御を併用する方法を比較、検証する。さらに、スライディングモード制御との比較を行う予定である。 3.PDC併用制御に関する研究: これはまだ検討の余地が大きく、現有および開発中のいくつかの実験装置を用いて、より効果的な制御法を開発する。さらに、制御生と安全性のトレードオフについて、検討する。 4.PDCを包含する安全な制御に関する研究: 今後、本質安全制御や監視調整制御との関係について明らかにしたい。 5.PDCの新展開: PDCを適用した新しいパワーアシスト装置の原理を考案し、開発を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験装置の設計が予定より遅れ、今年度中の物品購入が間に合わなかったため。 拮抗型人工筋と揺動型シリンダを組み合わせた2リンクシステムの製作費、 現有の実験装置の改良にかかる消耗品費、 国際会議参加旅費、国内出張旅費、英語論文校閲費、等
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