2013 Fiscal Year Research-status Report
オンライン車群管制の実現に向けた車群走行状態フィードバック推定システムの開発
Project/Area Number |
24510231
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 宏典 日本工業大学, 工学部, 准教授 (20426258)
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Keywords | 車群追従走行 / 動的推定 / アンセンティッドカルマンフィルタ / パーティクルフィルタ |
Research Abstract |
本研究の目的は,「車群の安全を見守る車群管制の実現」を念頭におき,車群を構成するすべての車両の速度,車間距離という車両状態量を動的に推定するための,車群走行状態フィードバック推定システムを構築することである。平成24年度は,推定システムを伝統的な拡張カルマンフィルタ(以下,EKFと略す)や,ニューラルカルマンフィルタ(以下,NKFと略す)を用いて構築した。しかし,数値計算の結果,EKFでは十分な精度が確保されず,NKFでは推定値が不安定になるなどの問題があったため,これらに代わる手法として,アンセンティッドカルマンフィルタ(以下,UKFと略す)及びパーティクルフィルタ(以下,PFと略す)を用いて動的推定システムの定式化を行った。 平成25年度は,UKF及びPFで定式化を行った動的推定システムのパフォーマンスを数値計算により実証する試みを行った。この結果,以下の成果を得ることができた。 1)まず,最小構成単位である3台の車群の車間距離及び速度を,UKF及びPFを用いて推定することを試みた。データは,仮想のシミュレーションデータ及びテストコースの実測データとした。この結果,UKF,PFいずれも,従来の手法に比べて非常に精度の高い推定結果を得ることができた。 2)次に,1)の数値計算の対象よりも,車両台数の多い(6台)ケースで,車間距離と速度の推定を試みた。推定器は,今回もUKF及びPFとした。この結果,PFの方がUKFよりも精度の高い推定を行えること,また,観測する車両がどの位置に存在していてもPFは安定した推定結果を与えることが明らかとなった。ただし,UKF及びPF単独でもまだ推定精度が確保されないケースがある可能性もあるため,今後推定システムの改良を継続することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2年目である平成25年度には,動的推定の新たな手法として注目されているアンセンティッドカルマンフィルタ(UKF)及びパーティクルフィルタ(PF)による車間距離と速度の動的推定を実践することができた。車群を構成する車両の台数やシミュレーション時間,追従状況等のパラメータを変えて数値計算を多く実践し,様々な状況下でUKFとPFのパフォーマンスを検証することができたため,当初の計画以上に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
実際に生じる追従現象を想定すると,UKFやPF単独でも推定精度の向上には限界があることが明らかとなりつつある。そこで,モデルのパラメータも同時推定する,Dual-UKFやDual-PFの利用を検討し,さらなる推定精度の向上に努める予定である。また,状態方程式と観測方程式にニューラルネットワークを用いるUKFやPF,アンセンティッドパーティクルフィルタ(以下,UPFと略す)を用いる手法の適用も視野に入れる予定である。
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Research Products
(5 results)