2014 Fiscal Year Annual Research Report
災害時における人間の動作を精密に考慮可能な集団避難行動シミュレーションの開発
Project/Area Number |
24510234
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
柿崎 隆夫 日本大学, 工学部, 教授 (10586556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 央 日本大学, 工学部, 助教 (50547825)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シミュレーション / 避難 / デジタルヒューマン / 航空機事故 / 人間モデル / マルチエージェント / プラットフォーム / 3D |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき空港における大規模災害を想定した集団避難シミュレーションの開発およびそれを実験検証した.まず複数の避難者モデル相互間をアドホックな仮想リンクで接続し、これにより主要な引率や搬送などの特殊形態を発現する動作モデルを構築した.ついでこれを用いたモデルとして担架搬送、車椅子搬送および背負い搬送など主要な搬送するモデルへと拡張し,複数の混合モデルを考慮可能な階段避難を含む集団避難シミュレーション手法を開発した.これをベースに、災害現場での緊急車両等,避難者以外の移動するオブジェクトとの安全な連携を考慮した避難動作モデルへと発展させるとともに,これを空港における集団避難シミュレーションとして統合した.この基本機能を確認するため,航空機からの集団避難動作について,約100名の被験者参加による大規模な実証実験を実施し,主な結果は本研究で開発したシミュレーション結果とよく一致することを確認した.最終年度には、避難者モデルに加え,救急などの地上支援者モデル,インフラとして航空機滑走路,消防・救急車両およびトリアージ施設等,これらのインフラと人間との連携モデルとして脱出,搭乗および処置モデルをそれぞれ導入し,すべてのインフラおよびモデルを含むエージェントとする空港災害避難シミュレーションプラットフォームとしてまとめた.このプラットフォームは航空機火災に関するリッチな3Dグラフィクスモデルを使用しているもので、シミュレーション結果をわかりやすく表示することができる.上記の成果、すなわち開発した避難者モデル,統合シミュレーションおよび実験的検証結果は,頻発する地震のほか,今期課題であった航空機事故,さらには大津波からの避難など,今後の重要課題である減災に大きな効果を発揮する.以上のように本研究の意義は極めて大であり,今後より一層発展させていくべきものと考える.
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Research Products
(6 results)