2012 Fiscal Year Research-status Report
水素ガス存在下での使用可能性を有するウォーターカッターの対人安全性評価
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24510235
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
片倉 寛 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (40114863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 俊裕 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 准教授 (40308284)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ウォータージェット |
Research Abstract |
本研究では, 直接には, 事実上完全防爆無振動という特長を持ち, 水素ガス等の可燃性ガス存在下での使用可能性をも有する切断装置であるウォーターカッター (消防用ウォータージェット装置) の対人安全性の向上を,そして長期的観点から高圧水噴流 (ウォータージェット) の安全性や危険性を評価する方法の確立に寄与することを目的としている.そのため平成24年度には, 200MPaまでの圧力で通常の水のみ噴射するウォータージェットに関する以下の研究活動などを行った. 1. 現有の装置 (最高吐出圧力 200MPa, 通常の水のみを噴射) を活用し, 水ジェットの危険範囲を定量的に評価する事が可能な実験システムを組み立てた. ジェットにより貫通創ができる限界のスタンドオフ距離 [穿通損傷限界] および貫通には至ってはいない擦過傷の様な傷が生じる限界のスタンドオフ距離 [非穿通性損傷限界] を, それぞれの傷の長さから測定できる構造とした. 2. 上記で組み立てた実験装置と豚の生皮等の試料を用い, 水ジェットの穿通損傷限界および非穿通性損傷限界を測定した. 3. 以上の研究で得られた結果を "(1) Katakura, H.: Research on hazard range of high-pressure water jet. Proceedings of the 21st International Conference on Water Jetting, pp.355-364, 2012." および "(2) 片倉, 三田: ノズル周りの危険範囲に関する数式モデル構築の試み. 2012年度ウォータージェット技術年次報告会論文集, pp. 49-56, 2013." の2論文として発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した様に本研究では, 直接には, 事実上完全防爆無振動という特長を持ち, 水素ガス等の可燃性ガス存在下での使用可能性をも有する切断装置であるウォーターカッター (消防用ウォータージェット装置) の対人安全性の向上を,そして長期的観点から高圧水噴流 (ウォータージェット) の安全性や危険性を評価する方法の確立に寄与することを目的としている. この直接の目的については, 平成24年度に実施予定だった研究についてほぼ予定通り研究が進展し, かつ平成25年度以降に実施を予定していた研究 (アブレシブジェットに関する実験等)にも取り掛かる事ができている. 長期的観点での目的に向かっても順調に進展しているものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には主に, 20MPaでアブレシブジェット (研磨材をノズル部分で水噴流に添加するインジェクションタイプの水噴流) を噴射する装置である現有の装置を活用し以下を実施する. (1) 現有の実験システムを改修/改良することで, アブレシブジェットの危険範囲を定量的に評価する事が可能な実験システムを組み立てる. アブレシブジェットにおける穿通損傷限界および非穿通性損傷限界を, それぞれの傷長さから測定できる構造とする. 実験を実際に実施する東京工科大学の学生等の安全に最大限配慮した構造とする. そのためコンピューターによる制御も積極的に取り入れる. 試料である豚の生皮を良好な状態で保存するため現有の -50゚C にて保存可能な冷凍庫を活用する. (2) 上記で組み立てた実験装置と豚の生皮等の試料を用い, アブレシブジェットの穿通損傷限界および非穿通性損傷限界を測定する. 特に平成24年度に実施した水ジェットの場合の実験結果と比較し, アブレシブジェットにおける各種損傷限界の特異性を明確にする. (3) 本研究で得られた結果を日本国内外の学術講演会や学会誌に論文として投稿する. 平成26年度以降も, 実験装置等を適宜変更しほぼ同様に進めるつもりである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述の今後の研究の推進方策を具体化するため, 平成25年度における研究費(直接経費 1,400,000円) の使用計画を以下とする. 設備備品費 0円, 物品費 1,211,000円 (使途: 高圧バルブ, 高圧ホース, 鋼材などの各種資材・部品, 豚生皮, 研磨材など), 旅費 42,000円 (使途: JR運賃など), 人件費・謝金 63,000円 (使途: 資料整理のためのアルバイト代など), その他 84,000円 (使途: 複写費, 機器修理費用など) なお平成24年度において, 年度末ぎりぎりまで研究活動を実施し交付決定額と実支出額が一致する計画で研究を進めていたが, その最終段階で研究補助に当たっていた学生が突然の体調不良で欠席してしまったため, 謝金等に充てる予定であった 83,941円 を含むその部分の研究活動を平成25年度に持ち越さざるを得なかった. 本繰越金はこの学生の体調不良等で平成24年度に実施できなかった部分の研究を平成25年度に行うため, 上記に加え謝金等として使用する予定である.
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Research Products
(2 results)