2012 Fiscal Year Research-status Report
機動的なフィールドセンサー配置と無人飛行機による統合的大規模洪水モニタリング
Project/Area Number |
24510238
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
本多 潔 中部大学, 中部高等学術研究所, 教授 (40181549)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平藤 雅之 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター(芽室), 畑作領域長、教授 (00370495)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 無人飛行機 / センサネットワーク / 洪水 / 統合システム |
Research Abstract |
大規模洪水モニタリングのための、地上フィールドセンサネットワーク(FSコンポーネント)、無人飛行機(UAVコンポーネント)、衛星データを収集、統合するマルチスケールかつリアルタイムな統合システム(統合システムコンポーネント)を研究開発する。統合システムコンポーネントは、cloudSenseセンサー基盤やWMSなど、国際標準APIを用いて他システムへ容易に接続できるものとする。 <<FSコンポーネント>> センサーノードとしてTwitter FSにGPSと水圧計を組み込み、設置位置情報を自動送信し、水位データを刻々とTwitterを利用しながらインターネット上に送り出す小型、低価格の洪水モニタリングノードを開発した。 <<UAVコンポーネント>> 固定翼のUAVを購入し、国内試験飛行を経て、タイの洪水域において2012年11月(洪水中)、2013年2月(乾期)に二回飛行した。飛行高度250mから地上解像度10cmで可視および近赤外で画像を撮影、画像マッチング処理を行ってGoogle Mapへの重ね合わせを行い Web上に公開した。この結果UAVによる画像は大変鮮明かつ高い位置精度で既存空間情報へ重ね合わせることが可能であり、洪水域、被害状況の把握に大変有効であることがわかった。なお、一回のフライトで撮影する画像は2013年2月の撮影では約150枚である。 <<統合システムコンポーネント>> UAVの撮影計画、飛行実績、画像は速やかに統合システムへ取り込み災害担当者へ伝達あるいは公開する必要がある。膨大な画像情報を遠隔地の厳しいネットワークスピードを考慮して転送データ量を調整しながら有用な情報として統合システムにとりこむ仕組みを開発した。これにより、UAV撮影チームが事務所に帰還するのを待たずに、データを共有公開できるユニークなシステムを提案することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
<<FSコンポーネント>> GPS、水圧計のTwitter FSへの組み込みを完成させたので、2013年度への現地稼働の条件を整えることができたとえる。3Gモジュールとカメラについては組み込むかあるいは別モジュールとするか発展途上国における通信環境をふまえた設置方法を検討する。 <<UAVコンポーネント>> UAVが一回の飛行で約0.7sq.kmを30分で安定的にとれることを複数回確認し、鮮明な画像を取得、150枚以上の画像のマッチングにより幾何補正済み10cm高解像度の画像を生成させることができた。マッチングの精度について改良の余地がある。 <<統合コンポーネント>> 遠隔地からのUAV情報のとりこみについてはコンセプトを完成させ、プロトタイプとして完成させることができた。なお、Web Map Serviceとしての提供、TwitterFSからの取り込みが未完である。 以上計画のほとんどを達成させることができた。一部では、遠隔地からのネットワークスピードに応じて適切なUAV画像の取り込むシステムという新しいアイディアとシステムを提案することができて計画以上といえる。一部未完があるが計画に大きな影響を与える物ではなく、おおむね順調と判断できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
TwitterFSの統合システムへの接続、UAV画像転送の自動化、それら衛星データ上への表示など、各コンポーネント間の接続、可視化に注力する。また、9-10月の洪水期に合わせて現地設置、観測の体制を整える。観測地域を、2011年に大きく浸水したアジア工科大学院周辺、およびもう一カ所今年度の洪水域を把握しながら設定、FSを設置、UAVの複数回の飛行を行う。現地実験を通じて、センサネット、UAV、衛星を統合するシステムの有効性を実証し、また課題を洗い出す。 <<FSコンポーネント>> 現地接続のためにはリモート環境でWiFi接続をどのようにインターネットに接続させるかが重要であるので、その設置方法を検討実験を行う。カメラについてはUAV画像との統合によるもので十分か、あるいは、ある程度の価格増でも画像昨日が必要かどうかの検討する。数年~数十年の長期稼働に耐えられるハイスペックなセンサノードの構造・素材について考察する。 <<UAVコンポーネント>> 一日あたりの飛行回数を増やし観測域を増やすためにバッテリの追加購入を行う。モザイクの精度向上を行う。 <<統合システムコンポーネント>> 上記2コンポーネントからのデータおよび衛星データの自動的な取り込みと可視化、SOS, WMSの両Web Serviceの提供について開発をすすめる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度は各コンポーネントの強化・相互接続、および現地実験を行うために研究費を執行する。各コンポーネントは以下のようであるが、この他、現地実験のための旅費や設置費として使用する。 <<FSコンポーネント>> 3G、カメラモジュールの検討、複数台のノード作成 平成24年度の実験が効率よく進んだ結果、消耗品などの支出が予定より少額となった。このため24年度に予定していた物品の購入は、平成25年度研究計画の予算と合わせて前半に予定することとした。 <<UAVコンポーネント>> バッテリーの追加購入を行う。モザイク処理のソフトウエア開発を行う。 <<統合コンポーネント>> 統合システムへの以上2コンポーネントおよび衛星データの自動的なデータ取得機能を強化、可視化、Web Serviceの提供を行うソフトウエアの開発を行う。
|
Research Products
(9 results)