2014 Fiscal Year Annual Research Report
高性能なスペクトル拡散型電子透かしを防災サイレンに応用した防災無線システムの開発
Project/Area Number |
24510240
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
小嶋 徹也 東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20293136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 定伸 東京工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00321406)
松元 隆博 山口大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10304495)
田中 晶 東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20578132)
土居 信数 東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80547836)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 防災無線 / 防災サイレン / 情報ハイディング / 完全相補系列系 / ビット誤り率 |
Outline of Annual Research Achievements |
提案システムに必要なソフトウェアを開発し,実際に屋内環境において情報受信実験を行ない性能を評価した。 要素技術として,誤り訂正符号の導入と受信アプリケーションの改良を行なった。誤り訂正符号としてはRS符号とBCH符号を実装し,実験を通してその性能を評価した。受信アプリケーションにおいては,従来のものは同期捕そく処理などに長い時間を要していたが,冗長な処理を省くことなどにより,全体として受信してから情報を表示するまでに要する時間を1/3以下に短縮することに成功した。さらに,情報を埋め込む方式として,従来通り原信号の周波数領域に埋め込む方式に加え,サイレン音を用いず,埋め込む情報のみを特定の周波数領域に配置することにより,擬似的なサイレン音を作成する方式について検討した。実験を通して特性を検証したところ,両方式の間に大きな性能の差は認められなかったが,受信ビット誤り率(BER)は従来方式の方が高いという実験結果を得た。 屋内環境において情報伝達特性を評価した。実際にスピーカから災害情報を埋め込んだサイレン音を放送し,パソコンや携帯端末で受信して抽出された情報のBER特性を評価した。屋内の実験室においてスピーカとマイクの距離を3m以下に設定し実験を行なったところ,4秒間のサイレン音に4kbit程度の情報を埋め込んだ場合でもBERは約10%に抑えられることがわかった。一方,避難所などを想定して体育館を用いて行った実験では,スピーカとマイクの距離は18m程度であったが,128bit程度で10%程度のBERとなった。埋め込み情報量が増加するとBERも増加する傾向が認められるが,これは反響の影響でマルチパスフェージングに似た状況が発生しているとわかった。 最終的にそのまま実用化できるシステムとはならなかったが,通信環境に合わせたパラメータ設定を行なうことで,十分に実用に耐えうるシステムとなることを実験を通して示すことができた。
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Research Products
(4 results)