2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
高科 豊 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30187950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 久一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30126479)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | SS試験(ノルウェ-王国、トロンハイム) |
Research Abstract |
平成24年度実施研究成果は、交付申請計画に基づき、下記3点にまとめられる。 1)直接経費として主要備品購入したKuraves-MD(KURABO)の3次元写真計測システムを利用し、コンクリ-ト凍害深さの対象形状デジタル把握及び指標の検討を試みた。その具体的内容は、凍害劣化により、コンクリ-ト表面剥離を起こした凹凸の表面形状計測を、デジタル写真情報からのみ行い、ステレオマッチング機能による3次元スケ-リング状況を計測し、定量化・簡易化を行うことで、研究表題のコンクリ-ト凍害深さの3次元劣化予測モデルの評価形状表現をすることができる意義を示した。 3次元空間情報計測として、実験供試体や対象構造物等において、特にどのレベルまでの寸法精度形状の把握管理計測できるかの重要性を検討した。 コンクリ-トの『凍害深さ』は、スケーリング損傷の深さや微細ひび割れによる劣化程度を深さ方向に評価し、総合判断するものである。寒冷地環境におけるコンクリ-ト構造物の凍害による表層剥離(スケ-リング)評価は、目視調査等による半定量的なランク付けとなる外観評点が現状としてあるが、構造物の劣化部材・部位を対象とする、非接触かつ遠近からの凹凸形状把握は、3次元デジタル写真計測により、簡易的に定量化することができることを示した。 2)赤外線評価法(サ-モグラフィ-)による凍害を受けたコンクリ-ト表層の品質把握の検討の取り組みを実施した。スケ-リングは、コンクリ-ト表面の凹凸や?離、品質の低下であるが、赤外線サ-モ画像の画素レベルの温度変化差分挙動とその劣化組織損傷の関係から、簡易的な評価のあり方を模索した。国際会議ICDC2012において、その成果を報告した。 3)国際交流研究活動の実施は、上記国際発表の会場で打ち合わせのみを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成24年度の交付申請計画研究目的の達成度として、非接触スケ-リング評価・かぶりコンクリ-トの3次元形状把握は、Kuraves-MD(KURABO)の3次元写真計測システムを利用し、凍害深さの対象形状のデジタル把握をほぼ実施、達成できた。また、FEMAPにより、『凍害深さ』であるスケーリング損傷の深さや微細ひび割れによる劣化程度を深さ方向として推論的総合評価を階層型ニュ-ラルネットワ-クの学習改良(特徴把握)及び赤外線評価法(サ-モグラフィ-)との結果統合から、可視化表現として実施した。赤外線法による温度測定差分処理に基づく凍害劣化品質評価は、非接触の表層簡易計測の基礎として重要である。また、階層型ニュ-ラルネットワ-クを用いることにより、任意形状、各種計測条件、計測結果を時空間表現として計算処理できる。 凍結融解、スケ-リング試験法については、JIS A 1148とASTM C672の実験結果の比較検討を行った。前者は凍結融解抵抗性に重きがある試験で、後者はスケ-リング試験法の一つである。交付申請時に記載の通り、両者の対応性を検証する必要があり、かつ、劣化予測試験法の確立として、融雪剤による表層水分稀釈による劣化促進効果の検討を行った。達成できた視点として、一面対象試験であり、全面対象試験であり、稀釈浸透促進要因の効果が確認できた。また、試験条件等の整理ができた。両試験とも、対象試験体準備段階の重要性があることが指摘できる。 NTNU大学におけるSS試験やLVDT試験については、国際会議ICDC2012の発表時に、打ち合わせのみを行い、時間的には、予定した内容について達成できなかった。 区分を「やや遅れている」とした理由は、高額ソフトシステム導入の熟練に時間を必要とした。また、耐久性試験においても時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度における今後の研究推進方策は、下記3点にまとめられる。 1)凍結防止剤の種別によって、コンクリ-ト構造物の凍害の劣化形態は大きく異なる。凍結防止剤は、塩化物系の塩化ナトリウム、塩化カルシウム、また、酢酸化合系のCMAと大別できる。その種別による凍害劣化の様相や兆候を研究表題のコンクリ-ト凍害深さの3次元劣化予測モデルに取り込めるように実験デ-タを整理する。特に、コンクリ-ト構造物と実験供試体レベルの対応を考える時、種別の配慮や鉄筋挿入の有無と凍結融解による膨張・収縮挙動は大きく違いが生じ、その評価条件の反映を検討の対象とする。 2)劣化部位や部位品質状況の結果はKuraves-MD(KURABO)の3次元写真計測システム及びFEMAPの空間ポスト処理機能により、学習改良した階層型ニュ-ラルネットワ-クの推論予測の基礎モデル化表現を検討する。ニュ-ラルネットワ-クの適用により、複雑因子や各種条件を包含するコンクリ-トの凍害劣化環境下を前提とした複合劣化への対応力を表現できるように検討を進める。 3)北欧のNTNU大学の研究者交流や研究分担者の長岡技術科学大学の丸山久一先生にRC梁の凍害劣化品質分布(凍害深さ空間領域)によるせん断耐荷機構への影響度の検証等の打ち合わせを始める。JIS A 1148のコンクリ-ト凍結融解試験法の供試体寸法を基準に、上記寸法のRC梁の曲げ靱性・せん断耐力評価と同コンクリ-ト供試体凍結融解劣化の関係を検討する。 平成25年度は、次年度の最終成果を見据え、研究表題のコンクリ-ト凍害深さの3次元劣化予測モデル開発の基礎素材を十分整理する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費の使用計画は、下記3点にまとめられる。 1)劣化部位や部位品質状況の結果の可視化に向けた平成24年度設置備品整備及び技術支援サポ-ト費用によるKuraves-MD(KURABO)の3次元写真計測システムの拡張及びFEMAP処理機能の拡張、学習改良型階層型ニュ-ラルネットワ-クプログラム検討支援サポ-ト技術費用、民間委託分析調査サポ-ト依頼費用(EPMA等による深さ調査、コア調査分析、ラインレ-ザ測定費用) 2)既設備品である自動凍結融解試験機、フリ-ザ、曲げ靱性試験機等の結果を収集するデ-タロガ-、他チャンネルスキャナ、ロ-ドセル、LCRメ-タ、コア採取等測定計測及び機器の拡張整備費、赤外線調査技術講習費用、既設サ-モグラフィカメラの拡張整備費用、関連付属品購入費及び消耗品費 3)国際交流研究旅費(SS実験費用等含む)、長岡技術科学大学研究打ち合わせ国内旅費、グリ-ンコンクリ-ト研究センタ-(GCRC)出張旅費、測定機器及び使用費用
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Research Products
(6 results)