2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510241
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
高科 豊 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30187950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 久一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30126479)
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Keywords | 凍害深さ / コンクリ-ト / 赤外線評価 / ニュ-ラルネットワ-ク |
Research Abstract |
昨年度直接経費購入による主要備品である3次元写真計測システムに加え、平成25年度には、直接経費の主要購入として、3Dスキャナ-キット(ラインレ-ザ簡易測定装置)を検討した。本研究は表題に示す通り、実験室での供試体や屋外に存在するコンクリ-ト構造物の3次元表現が前提であり、かつコンクリ-ト凍害深さの劣化予測モデルの開発がその課題である。対象物のデジタル形状把握は、簡易的であり、かつ遠近的対応及びその精度の迅速性が求められる。本年度の実施研究成果の具体的な内容は、凍害の劣化により、コンクリ-ト表面剥離を起こした凹凸の表面形状計測を、デジタル写真システム情報からの定量化とともに、他の手法である3Dスキャナ把握、ラインレーザー把握と併用して、利用、或いは比較し、モデル形状表現の簡易化と精度を検討した。また3次元空間の形状把握として、実験供試体や対象構造物等において、各手法の長所、短所を比較検討した。 コンクリ-トの『凍害深さ』は、スケーリング損傷の深さや微細ひび割れによる劣化程度を深さ方向に評価し、総合判断するものである。劣化部材部位を対象とする。非接触かつ遠近からの凹凸形状の把握の簡易化とその手法選択と併用、精度の検討は、3次元モデル評価対象形成の骨格になる。 赤外線評価法(サーモグラフィー)による凍害を受けたコンクリ-ト表層部の品質把握の検討の取り組みを昨年度に続き実施した。スケ-リングは、コンクリ-ト表面層の凹凸部の剥離、品質低下であり、コンクリ-ト組織の空疎化にある。本年度は強制熱源送風機と霧吹き器による手法的な簡易化評価を試みた。その研究成果として、モルタル部において、アクティブな現場向き強制熱源サーモグラフィーによる検討が、上記カメラに写る水分の短時間における熱挙動変化を捉え、その指標により、十分に品質評価ができる知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度の交付申請計画研究目的の達成度として、コンクリ-トの3次元形状把握の簡易化のあり方を再検証した。3次元写真計測システムに加え、他の手法の併用化を検討した。凍害深さの対象形状のデジタル把握の簡易化・迅速性の基礎は達成できたと考える。また、FEMAPにより、『凍害深さ』の品質評価の総括的モデル表現を目指した。スケーリング損傷の深さや微細ひび割れによる劣化程度と影響要因の推論的モデルの総合評価のあり方は階層型ニューラルネットワークの学習から達成できる。また本年度は強制熱源の赤外線法による水分熱挙動に基づく凍害劣化の表面品質評価方法の基礎も達成した。ニューラルネットワーク処理を用いることにより、任意形状、各種計測条件、対象物条件の計測結果を統合し、時空間表現として計算できることも示唆した。 凍結融解試験法JIS A 1148においては、鉄筋挿入がある場合、凍結融解劣化への関係性や影響が大きいことも示した。ASTM C672のスケ-リング試験法との検証は遅れているが、両者の試験法の十分な対応性は検討する必要があると考える。また劣化予測の確立として、融雪剤による表層水分稀釈による劣化促進効果の検討の重要性を再度指摘した。凍害深さ評価の促進性において、試験体準備段階の必要性がある。NTNU大学におけるSS試験やLVDT試験等は全く達成できなかった。区分を「遅れている」とした理由は、各種耐久性試験に非常に時間を要することがある。また、研究以外の校務の多忙な状況が大きな問題である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度における今後の研究推進方策を下記にまとめる。 凍害劣化の初期様相や兆候を研究表題のコンクリ-ト凍害深さの3次元劣化予測モデルに取り込めるように実験デ-タやモデルを整理する。特に、コンクリ-ト構造物とその実験供試体レベルの対応を考える時、様々な条件の配慮を、その評価条件と同時に反映させることを考える。劣化部や部位品質状況の結果は、Kuraves-MD(KURABO)の3次元写真計測を基礎システムとし、FEMAPの空間ポスト処理機能に連動させ、学習過程等を改良した階層型ニューラルネットワークの推論予測の基礎的モデルを検討する。ニューラルネットワークの適用により、複雑因子や各種条件を包含するコンクリ-トの凍害劣化の環境下を前提とした複合劣化への対応力を十分に表現できるように検討を進める。北欧のNTNU大学の研究者交流や研究分担者の長岡技術科学大学の丸山久一先生にRC梁の凍害劣化の品質分布(凍害深さ空間領域)によるせん断耐荷機構への影響度の検証を始める。 JIS A 1148のコンクリ-ト凍結融解試験法の供試体寸法を基準に、上記同寸法のRC梁の曲げ靱性・せん断耐力評価と同コンクリ-ト供試体凍結融解劣化の関係を検討する。平成26年度は、最終研究成果として、研究表題のコンクリ-ト凍害深さの3次元劣化予測のモデル開発の基礎的な素材を十分に検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
劣化部位や部位品質状況の結果の可視化評価モデルに向けた新たな整備の必要性が生じた。また既設の自動凍結融解試験機、フリ-ザ、曲げ靱性試験等の結果収集データロガー、多チャンネルスキャナ、ロ-ドセル、LCRメ-タ測定の必要が生じた。赤外線調査技術講習費用、既設サ-モグラフィカメラの整備費、関連付属品費、出張旅費の必要が生じた。 劣化部位や部位品質状況の結果の可視化評価モデルに向けた整備を検討する(3次元写真計測システムと他の手法の併用による簡易化・迅速化及びFEMAP処理機能の利用、学習改良型階層型ニューラルネットワークプログラム検討、各支援サポ-ト技術検討費用
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Research Products
(1 results)