2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 弘樹 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 主任研究員 (90342617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大幢 勝利 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 上席研究員 (50358420)
高梨 成次 独立行政法人労働安全衛生総合研究所, 建設安全研究グループ, 上席研究員 (60358421)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 労働安全 / 足場 / 幅木 / 風力 / 流体解析 |
Research Abstract |
足場からの墜落災害の安全基準の再検討により、平成21年3月に労働安全衛生規則が改正され、新たに墜落防止用のさんや幅木などを足場に取り付けることが義務付けられた。本研究は、風による足場倒壊防止のため、規則改正後の幅木などを取り付けた足場に作用する風力を検討し、風荷重に対する規則改正後の足場の安全技術を検討することを目的とする。 平成24年度は、流れの現象の予測に広い分野で使われている流体解析を用いて、規則改正後の足場の内、建設現場でよく使われている幅木を取り付けたわく組足場を対象として、足場に作用する風力を検討した。解析モデルは、3層1スパンのわく組足場とし、平成25年度に行う予定の風洞実験と比較するため、実物の1/10縮尺モデルとした。パラメータは、足場に作用する風力の基本的な影響を検討するため、幅木の高さ(足場の投影面積)と風向とした。その結果、以下の成果を得た。 風向で比較すると、足場の風力係数は、幅木を取り付けた足場の長手方向を風向に対して直角に設置した場合が最も大きくなり、幅木のない足場の風力係数は0.2程度となった。風力係数は幅木の高さにほぼ比例して大きい値になり、全面に幅木を設置した足場の風力係数は、幅木のない足場の風力係数に比べて、9.2倍程度になった。規則では幅木を15cm以上にすることになっており、幅木の高さが15cmの足場の風力は、幅木のない足場の風力に比べて、1.5倍程度の値になることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、②おおむね順調に進展していると考える。その理由は、以下のとおりである。 1. 流体解析における規則改正後の足場のモデル化の検討:規則改正後の足場として、建設現場でよく使われている幅木の高さをパラメータとすることで、足場の風力を足場の投影面積で一般化して検討することができた。 2. 流体解析における規則改正後の足場の風力の検討:・風はあらゆる方向から吹く可能性があるため、風向をパラメータとして、足場の風力を検討することで、風向と足場の風力の関係について確かめることができた。・足場の風力は、足場の投影面積に比例することが分かった。 3.風洞実験の準備:流体解析の結果より、平成25年に実行予定の風洞実験で設定する風速やレイノルズ数などを検討することができた。 4.研究成果の公表:これらの研究成果は、平成25年度の土木学会全国大会、安全工学シンポジウム、APSS2013などにおいて、発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に行った流体解析の結果を基に、風洞実験の実験条件を設定し、風洞実験により規則改正後の足場の風力を検討する。また、流体解析の結果を風洞実験の結果と比較して、流体解析の有効性を検討する。風洞実験のパラメータは、流体解析で検討した風向と幅木の高さ(足場の投影面積)とする。更に、流体解析の結果、足場の水平材の長さ(足場の水平方向の幅)が足場の風力に与える影響も無視できないことが分かったので、足場の水平材の長さもパラメータとして検討する。 平成26年度は、流体解析と風洞実験の結果を基に従来の足場と規則改正後の足場の風力を検討して、風荷重に対する規則改正後の足場の強度の検討方法を検討する。足場には風荷重による転倒防止のため、壁つなぎと呼ばれる控え金具を取り付ける必要がある。これまでの結果を基に、風荷重に対する墜落防護工法の壁つなぎの許容耐力について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1.物品費:風洞実験結果の公表のため、CADソフトや記憶媒体などを購入する。 2.消耗品:風洞実験を行うための、模型、治具の材料、製作及び幅木を取り付けるなどの改良、消耗品などに使用する。 3.その他:研究成果を公表するため、国内外の学会などへの論文投稿費、論文発表のための旅費などに使用する。
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