2012 Fiscal Year Research-status Report
ステレオ距離画像センサを用いた変状可視化によるトンネル掘削時の安全管理手法の開発
Project/Area Number |
24510243
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tobishima Research Institute of Technology |
Principal Investigator |
松元 和伸 飛島建設株式会社技術研究所, -, 室長 (30443641)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 浩朗 飛島建設株式会社技術研究所, -, 副主任研究員 (80443646)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 建設 / トンネル / 安全管理 |
Research Abstract |
トンネル現場では,切羽崩落による災害が後を絶たないが,切羽全面の変位挙動を瞬時・的確に把握することができないことが主要因である.また,近年では,IT技術の著しい発展により,トンネル現場でも機械化等が進められているが,トンネル切羽近傍でのコソク等の作業は機械化が極めて難しく,手作業で行われている部分も多い. 本研究は、面的にリアルタイムな計測ができる特徴を持つTOF距離画像センサを用いて,切羽性状を瞬時に分析し,掘削量の多い領域などを表示するシステムを高度化することで,現場安全。品質管理に供するシステムを構築するものである。当該年度は、 [A1]単独距離画像センサの計測精度検証実験を実施した.測定原理となるTOF方式では,測定距離や方向,照明によって反射強度が異なるため,実験により,これらの条件下で距離画像センサの計測精度への影響を明らかにした. また,[A2]単独距離画像センサによるリアルタイム性と計測精度向上方法の検討を実施した.距離画像センサは,最高50フレーム/秒でリアルタイムの画像取得が可能であることに着目し,短い画像取得時間間隔で連続的に得られた画像に含まれる時系列変位計測データを,統計解析をすることによって,誤差分布を検証した結果に基づき,平滑化処理によって計測精度を向上させ,リアルタイム性を確保できる適用限界(1秒未満の応答目標)を明確化させた. また,距離画像センサを制御し,異なる照度の基でも最適な距離画像データを得られるプロトタイプの制御ソフトを開発し,H25年度以降の検証実験に活用できる土台を作った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,室内における精度検証を実施する計画であったが,実際に適用を予定しているトンネル現場における機器動作検証を実施することが出来た. 室内では発生しなかったシステム構築上の課題が発見でき、H25年度以降の現場でのシステム構築に役立てることが出来た. 【解決した課題】 トンネルなどの現場においては,100Vまたは200Vの電源を引いてきているが,安定化した電源ではないことが多い.室内実験ではTOF距離画像センサは安定した動作を示していたが,現場においては動作しない状況が,多々発生した.安定電源ではないことが原因と分かり,電源のバッテリー化を図った.さらに、ネットワークなど有線ケーブルでは,計測時に作業の障害になることがあったため,無線LAN化することで,ケーブルレス化を図った. 技術的成果は、当初予定通りであるが,次年度以降のシステム化に向けて一つの課題を解決できたと考えている.
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度、実施した単一センサ使用時の精度検証結果を踏まえて,複数のセンサを使用したときの精度向上を図るための要素技術の開発を進める. また,精度向上に寄与する距離画像上の位置特定精度向上のための画像処理方法の研究を進める.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度構築したプロトタイプの距離画像評価システムに対して,今年度得られる精度向上技術を取り入れ,更にレベルアップしたプロトタイプシステムを構築する.そのための物品費として 800千円 使用する. また,トンネル現場での検証を進めることで,室内実験では得られなかった事象や課題が発見できるため,現場実験のための出張旅費として 200千円 使用する.さらに、実験材料費として 50千円 ,実験施設使用料として 74千円 を使用する予定である.
|
Research Products
(1 results)