2015 Fiscal Year Research-status Report
潜在震源断層マッピングのための日本列島重力データベース構築
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24510249
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
工藤 健 中部大学, 工学部, 教授 (80410645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 明彦 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (80191386)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 重力 / データベース / 活断層 / 潜在震源断層 / 日本列島 / GNSS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、次世代の活断層研究および地殻変動学を推進するための基本物理量データとして今後100年の使用を想定し、それに耐えうる精度、発展性、利用形態を考慮した「日本列島重力データベース」の構築を進めている。具体的使用目的として、潜在する震源断 層の実体解明を全国同一精度で、従来の活断層データと相補的に行うことを想定する。その上で満足なクオリティと利用しやすい(画像情報を含む)形態での情報公開を目標としている。4年目となる本年度は昨年度に引き続き、(1)高精度な重力測定のための環境整備、(2)重力データ空白域における重力測定、および(3)データベース構築のための数値処理システムの環境整備、に重点を置いた。以下にそれぞれの実施内容を報告する。 (1)高精度な重力測定のための環境整備においては、初年度導入を開始した可搬型GNSS測位システムを用いた重力観測に関して、観測方法および観測データ処理の効率化を行った。 (2)重力データ空白域における重力測定に関しては、当重力データベース最大の測定点空白域である北海道中~北部において、2015年8月19日~9月6日にかけて重力測定を実施し、388地点における新たな重力データを収録した。 (3)データベース構築のための数値処理システムの環境整備においては、初年度愛媛大学に導入した重力デ ータベース数値処理システムを更新するとともに、最新のシステムを中部大学の異なる計算機環境においても動作させる実験を通して、システムの汎用化への検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
観測において、最新の可搬型GNSS測位システムを併用したことにより、測定点の位置精度は大幅に向上したが、現地において位置決定に必要な複数の人工衛星からのデータを受信するための時間が必要となった。これにより、当初見込みよりも30%程度取得できるデータ数が少なくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記進捗状況にも記した通り、予定よりも取得できた重力測定データ数がやや不足しているため、研究期間を1年延長し、予算と時間の許す限り北海道地域のデータ不足エリアをカバーすることに努める。 2016年熊本地震発生を受けて、九州地方の重力データベース整備を優先させ、当該地域の詳細な各種重力異常図の公開に向けて作業を進める。 複数の計算機環境下で、統一された重力データ処理および解析システムを稼働させる試みを通じて、これまで研究目的や研究室ごとに発展させてきたブログラムを整理し、汎用化のための検討を行う。
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Causes of Carryover |
北海道地域において、当初の計画通り重力測定が実施できなかったエリアが生じてしまった。そこで予定(研究期間)を変更し、予算をできる限り次年度の観測経費に割り当て重力測定を継続することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未だ重力測定点空白域の残る北海道地域において、時間と予算が許す限り観測を行う。
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