2013 Fiscal Year Research-status Report
爆発的噴火をもたらす浅部火道システムの構造発達過程
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24510251
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
下司 信夫 独立行政法人産業技術総合研究所, 活断層・火山研究部門, 主任研究員 (70356955)
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Keywords | 火山 / 噴火 / マグマ / 爆発 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、イタリアにおけるエトナ火山,ストロンボリ火山、日本における三宅島火山などにおいて、爆発的噴火で形成された火口・カルデラ構造の調査を行ない、火口構造や噴出物の分布やその物質科学的特徴についての野外情報の取得を行った.また,野外観察の結果を補完し、マグマの噴出率や母岩物性等を制御した火道システムの構造発達を再現するため、ローマ第三大学においてゼラチン・砂箱等を用いたアナログ実験を行なった. エトナ火山においては、イタリア地球物理火山学研究所との協力の下,北東リフトゾーンに露出する1809年火口の断面構造の調査を2回実施し,火道の構造の記載や噴出物等の試料採取を行った.その噴火記録と比較することにより、供給ダイクの成長過程やマグマの地表への上昇接近過程、火口の拡大過程やマグマドレインバック過程を復元した.ストロンボリ火山では、短時間の反復観察による画像解析を用いて爆発噴火前後における火口形状の詳細な比較を行うとともに、その噴出物を採取・解析し、爆発による火口壁の侵食過程を明らかにした.三宅島に露出する火道断面構造の画像解析を進め、爆発度の違いを反映した火道成長モデルを提唱した.さらに、マグマの組成等によらない普遍的な火道形成過程のモデル構築を進めるため、より珪長質珪長質マグマの火山として池田カルデラについて,その噴出物の予備調査を実施した.これらの成果は,2013年4月に開催された欧州地球科学関連学会連合(EGU),7月に開催された国際火山学会(IAVCEI)等の国際学会において口頭公表した.また、三宅島の火道断面の発達過程に関する論文をBullten of Volcanology誌に論文投稿し掲載された.エトナ火山の火道断面構造の発達に関する論文を投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概当年度は海外長期派遣等で、国内にて実施を予定していた一部の調査が実施できなかったものの、派遣先における新たな調査を実施することができ、全体の研究計画はおおむね当初の予定に沿って展開できている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度についても、引き続き当初の研究計画にそって研究を推進する.とくに、珪長質火山におけるより大規模な爆発的噴火についても、南九州地域や北東北・北海道地域などを中心に調査を進め、総合的な理解を目指す.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24・25年度に予定していた海外調査及び学会旅費の大部分が、所属機関における海外長期派遣制度により充当できたこと、またおよび国内で予定した野外調査が、海外長期派遣により実施できなかったことにより、次年度使用額が発生. 予定していた国内における野外調査を26年度に実施するとともに、当初計画にはない国際学会における成果発表を追加して行なう.
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Research Products
(4 results)