2013 Fiscal Year Research-status Report
GPUクラスタを用いた超高速解析による河川堤防の高精度リアルタイムセンシング
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24510259
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
園田 潤 仙台高等専門学校, 知能エレクトロニクス工学科, 准教授 (30290696)
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Keywords | GPUクラスタ / FDTD法 / 地中レーダ / 航空機搭載レーダ / 大規模自然災害 / 地下構造推定 / 地中探査 |
Research Abstract |
平成25年度は,(1)大規模GPUクラスタにおけるFDTD法を用いた地中レーダシミュレーションの高速化,(2)GPUクラスタとFDTD法を用いた地中レーダシミュレーションの実際の災害現場における地下構造探査への応用,(3)航空機搭載レーダと地中レーダを用いた大規模自然災害における高効率な捜索支援手法の提案および実証実験を行った。 (1)GPU 64台をネットワーク接続したGPUクラスタを用いて,FDTD法による地中レーダシミュレーションの高速化プログラムを実装した。この結果,PCクラスタ(Xeon E-5 2643 x16)でも170時間を要していた地中レーダシミュレーションが,開発したGPUクラスタ上のFDTDシミュレーションプログラムにより30分程度で計算できることを示し,大規模な領域の地下構造を高速に解析できることを明らかにした。 (2)開発したFDTD法による超高速地中レーダシミュレーションプログラムを用いて,実際の災害現場における地下構造推定への応用を試みた。ここでは,平成25年度から実施している地中レーダによる東日本大震災の行方不明者捜索支援の問題として,地中レーダで検出可能な物体の大きさを開発したプログラムにより理論的に定量評価した。この結果,直交偏波であっても深さ1.0 m程度の4.0 cm x 4.0 cm x 10.0 cmの物体が検出可能であることを明らかにした。 (3)東日本大震災のような大規模自然災害において,地下の被害状況や震災不明者の捜索活動を支援するための高効率な手法の開発として,JAXAのLバンド航空機搭載レーダPi-SAR-L2と地中レーダの組合せ手法を提案し,実際に東日本大震災で大きな被害を受けた名取市閖上他で実証実験を行った。この結果,Pi-SAR-L2により広大な領域の地下構造を1.0 m程度の深さまで探査可能性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
より大規模なGPUクラスタを用いたFDTD法による地中レーダシミュレーションプログラムを開発し,従来手法より飛躍的に計算時間の短縮が可能になった。 本研究の発展的課題である自然災害への適用として,東日本大震災の被災地への応用や,JAXA航空機搭載レーダPi-SAR-L2と地中レーダの組合せ手法により広大な領域の地下構造推定の実証実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
実際のフィールドでの実証実験を行う。 (1)東日本大震災の被災地支援として,引き続き震災不明者捜索支援手法の開発を行う。航空機搭載レーダがどの程度の深さの物体まで検出可能であるかの実証実験やシミュレーションによる評価を行う予定である。 (2)広大な領域を高効率で探査する手法として,人工衛星測位に基づく自動走行地中レーダシステムの開発を行う予定である。
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Research Products
(14 results)