2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24510262
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
鳥田 宏行 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部林業試験場, 支場長 (50414264)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 津波 / 流体力 / 立木 / 根返り / 幹折れ / 限界流速 |
Outline of Annual Research Achievements |
津波における立木の根返り抵抗性を評価するため,クロマツ林において立木の引き倒し試験を実施し,根返り抵抗モーメントと立木の各要素(胸高直径D,樹高H,材積指標D2H,形状比H/D)との相関を分析した。その結果,立木はDおよびD2Hとの相関が高いことがわかった。実際に津波により被害を受けたクロマツ海岸林において,シミュレーションをおこなった結果,モデルにより限界流速の値が小さな立木において,実際に津波の際に根返り・幹折れなどの被害が発生しており,本モデルにより計算された限界流速が立木の津波抵抗性の指標となりうることが示された。シミュレーションの結果では,立木の被害形態は根返りが約75%,幹折れが17%,根返りおよび幹折れの両方が発生する可能性のあるケース9%となったが,実際の被害においても被害立木の86%が根返りであり,定性的な一致を得た。限界流速と浸水高(津波の高さから,地盤高を差し引いた値)の関係では,浸水高が増すと限界流速は低下し,枝下高を浸水高が超えると,さらに限界流速の減少率が高くなることが示された。森林の成長段階毎に流体力に対する抵抗性をシミュレーションにより評価し,津波の流体力に対する抵抗性を高めるための森林管理手法を検討した結果,本数密度を低くして管理することが重要であることが示された。しかし,津波に関しては、浸水深の値が大きくなると,施業による差異はみられないことが示唆され,密度管理による津波抵抗性の有効範囲が存在する事が示された。
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