2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510266
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山田 洋一 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (30377402)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒドロキシメチル化 |
Research Abstract |
申請者は、配列依存的アレル特異的メチル化の存在を世界に先駆けて報告し、多型配列が引き起こす各種疾患感受性差異の作用機序をゲノムメチル化の有無が導く遺伝子発現差異を通して理解可能なことを示した。一方、近年、ヒドロキシメチル化がゲノム上からの脱メチル化過程で重要な働きを担っていることや遺伝子発現調節にも寄与していることが示唆されている。そこで本研究では独自に手法を構築することで、新たに配列依存的アレル特異的ヒドロキシメチル化及び配列依存的アレル特異的遺伝子を同定し、同様に各種多型配列が導く疾患感受性差異の作用機序解明に貢献することを目的とした。 そこで本年度は、申請者が独自に開発したHM-WGA-PCR 法を改良し、ヒドロキシメチル化も検出可能なATMD-PCR 法を新たに構築し、これを用いて末梢血細胞においてメチル化されている30個のCpG island(CGI)のアレル別ヒドロキシメチル化状態を末梢血細胞および脳由来ゲノムにおいて調べた。結果として、ヒト末梢血細胞においてはこれらすべてがヒドロキシメチル化を受けていないことがわかった。しかし、ヒト脳においては5個のCGIがヒドロキシメチル化されていることがわかり、この内4個が配列依存的アレル特異的ヒドロキシメチル化を受けている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の当初の目的が、申請者が開発したHM-WGA-PCR 法を改良し、配列依存的アレル特異的ヒドロキシメチル化を検出可能なATMD-PCR 法を新たに構築することであった。このため、本年度はATMD-PCR 法のプロトタイプを構築できたこことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度新たに同定した配列依存的アレル特異的ヒドロキシメチル化の候補CGI上にデータベース検索によりSNPサイトを同定する。次にこのSNPがヘテロな個体由来の脳由来ゲノムをT4-BGT酵素処理後、MspI で消化する。この際、複数個体由来の脳ゲノムを購入することは困難であるためSNPがヘテロな個体を同定できなかった場合は、他組織由来ゲノムにおいてSNPがヘテロな個体を検索する。この後、未切断および切断済みゲノSNPがヘテロな個体由来の脳由来ゲノムを鋳型として、SNP サイトをアンプリコン内に含んだPCR 増幅を行い、増幅産物をダイレクトシークエンス法により配列決定する。ここでMspI 未消化ゲノムからは両アレル由来のSNP シグナルが得られ、消化済みゲノムではアレル由来のSNPシグナルが得られたときは、片アレル特異的にヒドロキシメチル化されていることが証明される。さらに複数の個体由来ゲノムを用いて、このヒドロキシメチル化アレルの由来が有意な配列依存性を示した場合、これを新規の配列依存的アレル特異的ヒドロキシメチル化とする。また、既存の配列依存的アレル特異的メチル化領域15 個の配列情報を論文検索より入手する。脳および末梢血由来のヒトゲノムを用いてATMD-PCR 法によりこれら15個のゲノム領域のアレル別ヒドロキシメチル化状態を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)