2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24510272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
大和 勝幸 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (50293915)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 性染色体 / X染色体 / 基部陸上植物 / RDA |
Research Abstract |
平成24年度はX染色体配列の獲得を実施した。まず、XおよびY染色体に共通する遺伝子に基づく方法でX染色体に由来する配列を探索した。具体的には、先行研究で得られているY染色体遺伝子の配列情報を用い、JGIより提供された雌のゲノム配列中にY染色体遺伝子のホモログを探索した。その結果、10個ずつのホモログがscaffold00017(約1.9 Mb)およびscaffold 22(1.8 Mb)に見いだされた。それぞれのscaffoldの塩基配列を用いて遺伝解析を実施し、両者ともX染色体に連鎖していることを明らかにした。今回XおよびY染色体に共通することが明らかとなった遺伝子20個について、性染色体間のシンテニーを調べたところ、保存されている部分はわずかであった。これは、XおよびY染色体が分岐したあと、それぞれにおいて染色体レベルの再編が起こったことを示唆している。 次にRepresentational Difference Analysis(RDA)法を用いてX染色体連鎖マーカーの単離を試みた。ゲノムを切断するHindIIIを用いて解析を行ったところ、X染色体に連鎖し、かつ前述のscaffoldに含まれない配列が1つ見つかった。この配列は、約75 kbのscaffold00225に含まれていた。従って、X染色体について全部で4 Mb近い配列情報が得られたことになる。 Scaffold00017および00022に対して、EST情報および類似性に基づく遺伝子探索を行ったところ、前者で20個、後者で19個の遺伝子を見いだした。これより、X染色体の遺伝子密度は100 kb当たり約1遺伝子となる。これはY染色体とほぼ同じであり、両者が類似した進化の過程を経てきたことを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した2種類のアプローチの両方で良好な結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に4 Mb近いX染色体の情報が得られたが、実際にはさらに数Mb残されていると見積もっている。新たなX染色体の領域を探索するため、雌雄のゲノムデータ(新たにJGIより雄ゲノムのデータが供給された)を比較し、雌特異的な配列を網羅的に単離する。 遺伝子探索については、平成24年度末までに得られた総計10億本を超えるRNA配列情報を活用する。TophatなどのRNAマッピングツールを用い、発現領域の探索および雌雄・組織間における発現量の差を網羅的に解析する。候補遺伝子については、RT-PCRによる発現の組織特異性の確認を行ったうえで逐次解析用コンストラクトを作成し、形質転換による機能解析を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、X染色体連鎖解析用のPCR、発現解析用のRT-PCR、コンストラクトの作成、形質転換体の作成および培養維持に必要な消耗品が必要である。また、初年度に得られた研究成果を学会報告するための旅費も必要である。
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Research Products
(1 results)