2014 Fiscal Year Annual Research Report
リピート配列を持つDNA結合ドメインのDNA結合様式解明と人工蛋白質創製への展開
Project/Area Number |
24510295
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今西 未来 京都大学, 化学研究所, 助教 (80362391)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNA結合タンパク質 / TALE |
Outline of Annual Research Achievements |
任意のDNA配列に結合できる人工DNA結合蛋白質は、転写制御やゲノム編集のためのツールとして有用である。植物病原菌由来の転写因子様蛋白質(Transcription Activator-Like Effector; TALE)は、DNA1塩基を認識するユニットの繰り返し配列を持ち、ユニットのシャッフルにより、様々なDNA配列に結合できることが近年明らかになってきた。この転写因子様蛋白質のDNA結合特性の詳細を明らかにし、よりDNA結合配列選択性の高い人工DNA結合蛋白質を創製することを目的として、本研究を行った。 最終年度は、修飾塩基を標的とするTALEユニットの探索を行った。スクリーニングの前に、まず既存のTALEユニットのメチル化シトシンに対する結合に関して、ゲルシフトアッセイおよびレポーターアッセイで調べた。その結果、既存ユニットでは、メチル化/非メチル化シトシンを十分に区別できないことが明らかとなった。そこで、昨年度に確立したbacterial one-hybrid法によるTALE蛋白質のスクリーニング系を応用して、修飾塩基に対するスクリーニングを行った。その結果、既存ユニットに比べ、メチル化シトシンへの選択性が高いユニットを獲得することに成功した。今後、これらのユニットの汎用性に関する検討とこれらを用いた細胞機能制御へと展開していきたい。全研究期間中に、TALEのDNA認識に関する検討をもとにスクリーニング系を構築し、これまでにTALEの制限とされてきた「5'末端塩基がTでなければならない」という条件を解除することに成功し、また修飾塩基への結合性を有するユニットも獲得することができた。TALEを用いた分子ツールの自由度を大きく高めることが期待される。
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