2013 Fiscal Year Research-status Report
医療応用を目指した糖鎖プローブの次世代型合成法の開発
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24510297
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
山口 真範 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (20400129)
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Keywords | 糖鎖工学 / シアロ糖鎖 / 酵素合成 |
Research Abstract |
糖鎖は細胞間の認識、情報伝達、分化、増殖、免疫応答など我々が生命を維持していく上で必須の生命現象を司っている。その中で、糖鎖の末端にシアル酸という糖が付加されたものをシアロ糖鎖といい、免疫応答やガン化などに深く関わっている。これらの糖は免疫機構やガンの発症・転移のメカニズムを知る上で必須である。本研究では、これらの糖鎖アナログと医療応用を目指した糖鎖プローブをペプチド合成のように自動的に合成することが可能なシステムを世界に先駆けて創出する。そしてこれらの糖鎖を用いて、糖鎖型医薬品の開発、モノクローナル抗体の作成、糖鎖型ガンワクチンの創出、ガンの分子イメージング技術への応用を行い、生化学・薬学・医学研究の進展に大きく貢献することを目標とする。 本年度にいおいては、先年度までの成果をさらに発展させ、本研究の鍵反応である位置選択的シアリル化反応の開発に成功した。酵素を用いたシアリル化反応はその基質により大きく合成収率が異なり、個々の基質にたいして緻密な条件検討が必要となった。この課題をクリアすることが出来多くのノウハウの蓄積を得、またその結果である合成収率も既存の報告例などと比較すると優位性のあるものであった。課題達成に向けて順調な成果が挙がっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究において鍵反応となるシアリル化のメソッド開発に成功した。位置選択的シアリル化を可能とし、その収率も本年度において大幅に上げることが出来た。そのことによりシアロ糖鎖タイプのガン関連糖鎖抗原の合成において顕著な進展と目的化合物の合成を達成できた。よって自己評価は区分(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までに開発してきた方法に則り、目的としたシアロ糖鎖類を順次合成していく。その際、現時点で行っているスケール(10mg)を更に大きくし諸研究に必要な分量(50mg)を1バッチで合成可能なように合成法を開発する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
固定化酵素の繰り返し利用回数の大幅な改善に成功し、その結果として酵素やその担体購入費を抑えることが出来たため。 研究試薬購入などへ有効に利用する。
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[Journal Article] Lacto-N-biosidase Encoded by a Novel Gene of Bifidobacterium longum Subspecies longum Shows Unique Substrate Specificity and Requires a Designated Chaperone for Its Active Expression.2013
Author(s)
Sakurama, H., Kiyohara, M., Wada, J., Honda, Y., Yamaguchi, M., Fukiya, S., Yokota, A., Ashida, H., Kumagai, H., Kitaoka, M., Yamamoto, K.
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Journal Title
Journal of Biological Chemistry
Volume: 288
Pages: 25194-25206
Peer Reviewed
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