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2013 Fiscal Year Research-status Report

細胞増殖のシグナル伝達に関わるNADPHオキシダーゼ1の活性制御と情報伝達機構

Research Project

Project/Area Number 24510299
Research InstitutionEhime University

Principal Investigator

田村 実  愛媛大学, 理工学研究科, 准教授 (00128349)

KeywordsNADPH oxidase / Noxa1 / superoxide / betaPix / Nox1 / Nox2 / Rac / p22phox
Research Abstract

1.Nox1の活性化因子と目されるNoxa1の自己制御について検討するため、Noxa1の短縮型を調製し、Noxの活性化能を検討した。その結果、Noxa1の226残基以降を削除したものでは活性化能が大幅に向上することを見いだした。この結果はNoxa1のC末端側半分は自己制御領域として機能していることを示した。制御の機構を知るために短縮型Noxa1のkineticsを検討し野生型と比較した結果、自身のNox結合能はあまり変えず、Vmaxを上昇させていることが明らかになった。Noxa1短縮による効果は系にNoxo1が存在しないときにはさらに顕著であったことから、Noxa1の自己制御はNoxo1により解除されることが示唆された。
2.ヒト大腸癌細胞Caco-2にNoxa1とNoxo1の遺伝子を導入し、内在性のNox1を活性化してO2-を発生させる系を確立した。この系にヒトbetaPix遺伝子を導入すると、O2-発生はさらに増加した。この結果は、Racの活性化因子であるbetaPixが内在性Racを活性化(GDP/GTP交換)し、その結果Nox1を活性化したと考えられた。betaPixのリン酸化模倣変異体遺伝子を導入したところ、Ser-340をGluに換えたbetaPixS340Eの遺伝子を導入した時、細胞からのO2-発生は大きく上昇した。細胞のlysateの検討したところS340E遺伝子を導入した細胞ではGTP-Racの量が増えていた。精製したタンパクを用いin vitroで検討した結果、この変異体では野生型に比べてRacへの結合能およびGDP/GTP交換能が上がっていることが明らかになった。
3.Nox1精製の試み p22抗体を用いてNox(今回はNox2)の精製を試みた。磁気ビーズに抗体を結合し、好中球の膜を可溶化したものを吸着させた。p22抗原ペプチドによる溶出でp22が得られたが、Nox2は回収されなかった。p22とNox2が解離してしまったものと思われる。今後可溶化の条件を検討する必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1.Nox1のin vitro活性化については、活性化因子Noxa1の自己制御と解除により、これまで低い活性しか得られなかった理由を知ることができた。またNoxa1が本来持っているNox活性化能を明らかにすることができた。しかし、最終的な目標であるNox1のin vitro活性化は未だ実現していない。
2.細胞レベルでのNox1活性化についてはCaco-2細胞を用いて実現することができた。また細胞内での活性化に関わる酵素としてbetaPixを見出し、さらに分子内のリン酸化により活性化されることを見い出した。
3.Nox1の精製については、前段階として先ず入手しやすいNox2を用いて予備実験を行い、Nox2と会合しているp22の抗体を用いてp22を精製することができた。しかし、複合体として採れるはずであった肝心のNox2は回収できなかった。条件がきつすぎて解離してしまったようだ。

Strategy for Future Research Activity

1.これまでに得られた活性化因子の自己制御などの知見をもとにNox1のin vitro活性化を実現する。
2.betaPixのリン酸化を行う上流のプロテインキナーゼは何かを突き止める必要がある。また、他のリン酸化部位によりRac活性化とNox活性化がどのように影響を受けるか、細胞レベルで検討する。
3.Nox1の精製については可溶化、溶出の条件を再検討し、まずはNox2でone-step精製を実現する。次いでNox1にうつるが、その際Nox1を培養細胞で大量に発現させることが必要になるのでこの点を工夫する。
4.SODとRacの相互作用についてはこれまでの知見をくつがえす結果が得られているのでこれについてさらに追求したい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

消耗品の使用が当初予想したよりやや下回ったため、次年度へ繰越額が生じた。
次年度の計画のために使う。

  • Research Products

    (7 results)

All 2014 2013 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (4 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Nox1 activation by betaPix and the role of Ser-340 phosphorylation2014

    • Author(s)
      Minoru Tamura
    • Journal Title

      FEBS Letters

      Volume: in press Pages: in press

    • DOI

      j.febslet.2014.04.025

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] C-terminal truncation of Noxa1 greatly enhances its ability to activate2013

    • Author(s)
      Minoru Tamura
    • Journal Title

      Arch. Biochem. Biophys.

      Volume: 538 Pages: 164-170

    • DOI

      j.abb.2013.08.017

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Noxa1C末端の削除によるNox2活性化能の亢進

    • Author(s)
      田村 実
    • Organizer
      生化学会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
  • [Presentation] betaPixによるCaco-2細胞Nox1の活性化-リン酸化による制御-

    • Author(s)
      田村 実
    • Organizer
      分子生物学会
    • Place of Presentation
      神戸国際会議場
  • [Presentation] betaPixによるNox1の活性化とSer-340リン酸化の役割

    • Author(s)
      三原 達也
    • Organizer
      生化学会中国四国支部会
    • Place of Presentation
      愛媛大学南加記念ホール
  • [Presentation] 細胞外から加えたO2-により誘導されるCaco-2の細胞死

    • Author(s)
      藤林 弘之輔
    • Organizer
      生化学会中国四国支部会
    • Place of Presentation
      愛媛大学南加記念ホール
  • [Remarks] 分子生命化学

    • URL

      www.ehime-u.ac.jp/~achem/biotec/index.html/index.htm

URL: 

Published: 2015-05-28  

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