2012 Fiscal Year Research-status Report
ヒトデの自切の分子構造と疼痛機構の関連性に関する研究
Project/Area Number |
24510303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鵜飼 和代 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (60433512)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒトデ / 自切 / NMDA受容体 |
Research Abstract |
自切誘起因子APFを用いて、ヒトデの’slow autotomy’のCICR以降のカスケード、NMDA受容体からのシグナリング、ガングリオシドが関わる自切機構を解明する。その上でまだ未解明な部分の多いほ乳類の疼痛機構の解明へとつながる知見をもたらすことを目指す。 ヒトデに存在するかどうかが確認されていないタンパク質遺伝子の発現をほ乳類で既に確認された遺伝子配列を基にプライマーを作成し、RT-PCRにてマヒトデ遺伝子中の存在の有無を探索した。グルタミン酸神経系NMDA受容体と、キノリン酸の産生をもたらす3H34DAの存在は確認できたが、膜タンパク質CD38は手法を変更して検討を行っている。 ATPの測定は、自切腕の自切面付近の放射神経の拭い取りによって、投与から自切時までにATP量が一定の変化をとっていることを確認した。今後、測定方法の改良などの検討を実施する。活性酸素による自切への影響は各種阻害剤を用いて確認した。ラジカルスカベンジャーの使用は自切を阻害したが、その他のいくつかの酵素阻害剤では自切時間が短縮した場合があり、各機構の詳細を検討している。 ガングリオシドの検討を実施する予定であったが、生物検定などに使用するマヒトデの供給は問題がなかったが、この検討用に必要な生物量が確保できなかったため、次年度以降に検討を実施する。また、CICR以降の自切機構の解明に関して検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
生物検定などに用いるマヒトデの供給は問題がなかったが、抽出して使用するための供給が、安定していなかったため、ガングリオシド関連の研究は断念した。一方、検討が必要だと予想していたATP量の測定や、RT-PCRの手法は比較的順調に手法を確立した。また、活性酸素の影響や、CICR以降の自切機構の検討も進んでおり、今後の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施を断念したガングリオシドの単離・同定を進めると共に、自切機構を明らかとするために、自切における各機構の詳細の検討を実施する。NAD関連機構や、ネクローシスの関与の検討を行い、最終年度の自切機構と疼痛機構の関連性を明らかとするための展開を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度発表予定の学会が仙台で実施されたことから、学会旅費は次年度へと持ち越した。また、検討が実施できなかったガングリオシド関連の研究費も持ち越しており、次年度での展開において、使用する計画である。その他は計画通りの進行を予定している。
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Research Products
(2 results)