2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒトデの自切の分子構造と疼痛機構の関連性に関する研究
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24510303
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鵜飼 和代 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (60433512)
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Keywords | ヒトデ / 自切 / NMDA受容体 / NAD代謝系 |
Research Abstract |
自切誘起因子APFを用いて、ヒトデの’slow autotomy’のCICR以降のカスケード、ガングリオシドが関わる分子機構、ネクロトーシス機構と自切との関わりについて解明する。 ガングリオシド抽出の予備試験を行ったところ、必要量を供給するには多量のマヒトデが必要となることが判明したため、抽出を次年度も引き続き行うこととした。合わせて、阻害剤を用いた生合成経路の自切への影響を先行して追加検討を実施した。ガングリオシド産生系を各段階で阻害したところ、自切が阻害されたので、自切にガングリオシド産生経路が関与することが判明した。CICR以降の機構の解明を行うために、その下流での関与が予想されるホスホリパーゼA2の阻害剤マノアライドを用いたところ、自切時間が短縮した。さらにCOX阻害剤や複数のNSAIDSにより自切時間が短縮したことから、この脂質代謝経路が自切時間を遅延させている可能性が生じた。疼痛機構を抑制すると自切時間が短縮する傾向が見られることから、他の疼痛機構の自切への影響を検討する必要性が出てきた。 マヒトデを用いた生物検定や、昨年度検討したATP拭い取りによる測定方法を利用して、自切時の各マヒトデの知見を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガングリオシド単離化合物を用いての研究に必要な抽出用マヒトデは、予備試験の抽出量から概算すると多量に必要となるため、生合成過程の阻害剤などを用いた研究を先行して実施した。CICR以降の自切機構とネクローシスの自切への関与に関して本年度は進行した
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Strategy for Future Research Activity |
ガングリオシドの抽出は昨年度から引き続き実施する。CICRはその下流の脂質代謝系が自切時間の遅延をもたらしている可能性が生じたことから、さらに詳細な検討を実施する。さらに、いくつもの作用機構が並行して関与することが見えてきたことから、最終年度として、自切の全体像を示す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度に予定学会が仙台で実施されたため、使用しなかった出張旅費を繰り越したこと、ガングリオシド抽出を次年度も継続して実施するために、予算の持越しを行った。 学会への出張費用ならびに、継続実施となるガングリオシド抽出のための諸消耗品の購入を予定している。
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Research Products
(2 results)