2012 Fiscal Year Research-status Report
生合成経路を活用するステロイド類の効率的合成法の開発
Project/Area Number |
24510305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
庄司 満 慶應義塾大学, 薬学部, 准教授 (30339139)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ステロイド / ドミノ環化 |
Research Abstract |
ステロイド類は、多様な生物活性と多くの不斉炭素、6-6-6-5員環が縮環した構造を有し、合成化学的に非常に興味深い化合物である。しかし、その効率的合成法は開発されておらず、また、天然由来ステロイドの部位特異的な官能基化は困難である。応募者は、生合成経路を活用した多環式骨格の構築により、供給が切望されている生物活性化合物を効率的に合成しようと考えた。そのため、容易に調製可能なセグメントを順次連結させて環化前駆体を合成し、ドミノ環化を鍵反応としてステロイド類の四環性骨格を一挙に構築することとした。本研究が遂行されれば、望む位置に官能基を導入したステロイド類を簡便に合成することが可能になると期待される。 ドミノ環化によるステロイド類の四環性骨格構築に先立って、三環性骨格を有するモデル化合物で反応条件の最適化を検討した。三環性化合物の環化前駆体の合成は、以下のように行った。D-マンニトールから誘導したアルデヒドとシアノリン酸エステルとのHorner–Wadsworth–Emmons反応でZ-アルケンを選択的に合成した。続いて脱保護で生じたアルコールを臭素化後、アセト酢酸エチルユニットの伸長反応により、環化前駆体を調製した。この環化前駆体に対しラジカル環化による三環性化合物の一挙構築の反応条件を最適化し、望む三環性化合物を良好な収率で合成することに成功した。生成物の縮環部の立体化学は、標的化合物と同じtrans, anti, transであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
モデル化合物の環化前駆体を合成するとともに、ドミノ環化の反応条件を最適化し、目的の三環性化合物が良好な収率で得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
三環性化合物の合成で得られた知見をもとに、ステロイドの四環性骨格の一挙構築を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品として有機合成用試薬およびガラス器具を購入する。さらに、研究実施期間中の海外および国内における学会・シンポジウムでの研究成果発表および研究課題の動向調査をおこなう。また、研究成果を学術論文として投稿する準備として英文校閲を外部に依頼する。
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Research Products
(4 results)