2012 Fiscal Year Research-status Report
安定ホスホヒスチジン模倣化合物を基盤とした新規抗生物質の創薬研究
Project/Area Number |
24510311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
山口 泰史 長崎国際大学, 薬学部, 教授 (10183980)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ホスホヒスチジン / ペプチドライブラリー / 抗菌活性 |
Research Abstract |
本課題は、ヒトにはない、バクテリア特有の情報伝達システムである二成分制御系を標的として、新規抗生物質創製を目的としている。具体的には、不安定なP-N結合を安定なP-C結合に置き換えたヘテロ環をもつアミノ酸をホスホヒスチジン模倣化合物として合成し、それを含むペプチドライブラリーを構築し、その中から、抗菌活性を持つ化合物を見出す戦略である。 平成24年度の主な実績を以下に示す。①Schoellkopf 試薬を用いる立体選択的な合成法を用いてターゲットであるアミノ酸誘導体の合成ルートの開発に成功した。②新規に開発した合成ルートを用い、ライブラリー構築可能な量のホスホヒスチジン模倣化合物を合成した。③ホスホヒスチジン模倣化合物を含むペプチドの合成ルートを開発した。④リン酸部分の脱保護反応を行うための条件検討を行った。 上記①から④を用い、ペプチドライブラリーの構築を行う。また、抗菌活性評価法であるディスク法を立ち上げ、活性を持つペプチドを見つける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、①から④を達成した。①Schoellkopf 試薬を用いる立体選択的な合成法を用いてターゲットであるアミノ酸誘導体の合成ルートの開発に成功した。②新規に開発した合成ルートを用い、ライブラリー構築可能な量のホスホヒスチジン模倣化合物を合成した。③ホスホヒスチジン模倣化合物を含むペプチドの合成ルートを開発した。④リン酸部分の脱保護反応を行うための条件検討を行った。 上記4つを行うに当たり、以下に示す問題解決に時間がかかった。合成ルート中、一部の反応の収率が悪く、改良が必要であった。したがって、先に進めるだけの量のホスホヒスチジン模倣化合物の合成が遅れた。また、脱保護の条件の発見に手間取ってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得た知見をもとに、ホスホヒスチジン模倣化合物を含むペプチドライブラリーを構築する。まずは、混合物として合成するのではなく、純品のペプチドを合成し、sprit-mix法への適応が可能かを判断する。可能である場合、小規模の化合物ライブラリーを構築し、順次ライブラリーの大きさを拡大していく。 トリペプチドライブラリー構築後、抗菌活性評価法であるディスク法を立ち上げ、活性を持つペプチドの発見を目指す。活性評価の結果を受けて、二次ライブラリーを設計し、活性の向上したリード化合物を見出す。 既知のヒスチジンキナーゼの3次元構造を用い、リード化合物とのドッキングを行い、ライブラリー設計に生かす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度、ライブラリー構築まで至らず、そのために、Fmocアミノ酸誘導体、カップリング試薬、レジン等を購入していない。これら消耗品は非常に高価であり、今年度から次年度へ引き継ぐ研究費とあらかじめ予定されている来年度の経費とを合わせて使用し、購入することになる。したがって、もともとの使用計画から大きく外れることはない。
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Research Products
(8 results)