2013 Fiscal Year Research-status Report
シルビアシジミの個体群存続に及ぼす共生細菌と近縁種の影響に関する研究
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24510331
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
平井 規央 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (70305655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢後 勝也 東京大学, 学内共同利用施設等, 助教 (70571230)
石井 実 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (80176148)
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Keywords | シルビアシジミ / ヒメシルビアシジミ / Wolbachia / 交配実験 / 温度・日長反応 / 寄主植物 / DNA / 繁殖干渉 |
Research Abstract |
今年度は、ヒメシルビアシジミの分布と生活史および韓国と日本におけるシルビアシジミの遺伝的解析およびボルバキアの感染を中心に調査研究を行った。 ヒメシルビアシジミについては、10月に沖縄県西表島、石垣島、沖縄島で分布調査および採集を行った。沖縄島の生息地では、シロツメクサからヒメシルビアシジミの卵10個を発見し、本種が実際に野外でこの植物を利用することが明らかになった。このことから、ヒメシルビアシジミがシルビアシジミの分布域に分布を拡大すると、両種の生息場所が重なり、寄主植物についても競争がが生じる可能性が示唆された。 本州においては、生活史が不明な和歌山県や石川県個体群について調査を行い、両地域においてシルビアシジミの生息密度が極めて低いことを確認した。ミトコンドリアの塩基配列は、和歌山個体群は大阪と共通であったが、石川個体群では、独自の変異箇所が見られることが明らかになった。今後はボルバキア等の解析を進める予定である。 得られた成果の一部は、昆虫DNA研究会、日本昆虫学会大会、日本鱗翅学会大会などで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度目的としていた、沖縄島での調査でヒメシルビアシジミの多くの個体を確認し、シロツメクサを寄主植物として利用していることを明らかにすることができた。シルビアシジミの本州での分布については、石川県において生息調査を行い、DNA解析を開始したところである。また、和歌山県産の個体の提供を受け、解析に加える予定である。結果の一部を複数の学会で講演するなど、研究はほぼ当初の予定通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒメシルビアシジミについては、今年度は沖縄県西表島・石垣島産、沖縄島産を用いたが、よりシルビアシジミの分布域に近い鹿児島県屋久島などの離島での調査を試みる。千葉県産に加えて、石川県、和歌山県などのDNA解析についても個体数を増やしてデータを充実させる。さらに、ボルバキアの感染についてもそれぞれの個体群で調査を進める。
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