2015 Fiscal Year Research-status Report
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24510338
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
倉田 徹 立教大学, 法学部, 准教授 (00507361)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 香港 / 民主化 / 中国 / 選挙 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、平成26年秋以降に発生した香港での民主化運動のデモを受けて、香港民主化の経過観察という本研究の目標に則り、運動において主体的な役割を果たした若者たちへの接触をはかり、5月から6月にかけて、実際に民主化運動に参加した人物や、活動家の一部を日本に招いてインタビューを行ったことで、政治運動の組織原理や新興の政治活動家たちの思想・行動等についての知見を得ることができた。 また、6月4日に香港で開催された天安門事件追悼集会は、事件以来初めての学生と民主派団体の分裂開催となったことから、その現地調査に赴き、本研究の課題である、香港の民主化が中国大陸の政治状況に与える影響に関する最新の変化を観察し、各種の映像・文献資料を収集することができた。 さらに、8月後半から9月にかけては香港大学図書館における香港研究関係の文献資料収集に従事し、香港政治に関する各種の新しい資料を入手した。この調査の際に、香港のキリスト教団体と中国大陸のキリスト教会の関係についても、短期・初歩的な現地調査を実施することができた。 平成27年度は本研究の4年目にあたることから、ここまでの研究実績の公刊や、学会での発表などの研究成果の公開にも力を入れた。本研究の成果に関連して、6月にはアジア政経学会全国大会、11月には日本国際政治学会学術大会において報告を行った。このほか、雑誌論文を3本、共著書を3冊公刊することができ、また、これ以外にも商業雑誌やウェブ媒体などにおいても多数の研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料収集とインタビュー調査を柱とする研究計画に基づいて順調に研究が進展していると同時に、昨年度の研究計画に盛り込んだ政治活動関係者の招聘も実施することができた。研究成果の順次公表においても平成27年度には多くの成果があった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は本研究の最終年度にあたるため、ここまでの計画にあった香港の市民社会と民主化運動、中国中央政府との関係についての研究をさらに進展させて完成を目指すと同時に、平成26年の大規模民主化運動によって大きな変化を遂げた香港の最新の政治情勢を反映させるために、予定されているデモ・集会・選挙などの観察のための現地調査の機会を増やしたい。
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Research Products
(8 results)