2015 Fiscal Year Annual Research Report
第二次世界大戦中のタイにおける日本軍の軍事輸送に関する研究
Project/Area Number |
24510351
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
柿崎 一郎 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (00315821)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タイ / 日本軍 / 軍事輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前期にサバティカルがとれたため、5~8月に4か月間のタイにおける資料収集を行ったほか、年度末の3月にも最後の調査を行い、それぞれタイ国立公文書館での資料収集を進めた。対象となる軍最高司令部文書のコピーが取れない状況は変わらず、読破した資料をパソコンに入力する作業をすることになったが、予定よりも長期艦隊に滞在することが可能となったことから、当初予定していた箇所までの資料収集はすべて終了した。 一方、日本に滞在中の資料のデータベース化も順調に進んだ。タイを通過したりあるいはタイに駐屯した日本軍は時期によってその数が異なり、開戦直後はマラヤとビルマに進軍する日本軍が圧倒的に多く、一時的に駐屯した日本兵も進軍終了とともに撤退したが、他方で泰緬鉄道をはじめとする軍事鉄道や道路建設の開始とともに建設に従事する部隊が沿線に駐屯するようになった。それらが開通すると再び駐屯する兵の数はやや減少したが、タイが徐々に前線としての役割を果たすようになり、駐屯箇所は逆に増える傾向になった。そして。最終的に1945年になると前線としてのタイの重要性が高まり、タイを防衛するための部隊が増強され、最終的に終戦時には約12万人の日本兵が駐屯する状況となっていた。このような形で、タイ国内の日本軍の動向についてもほぼ解明することができた。 これらの資料を用いて研究成果報告書の作成を進め、最終的に3月に約400ページの分量の最終成果報告書を作成した。
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Research Products
(2 results)