2013 Fiscal Year Research-status Report
水と権力―中国の水利問題からオリエンタル・ディスポティズムの再検証―
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24510353
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
祁 建民 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (70448819)
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Keywords | 中国水利史 / 国家権力 / 水権 |
Research Abstract |
今年度の研究実績は、まず中国の公文資料館(档案館)、図書館における山西省の水利関係資料を収集し、整理した。中国において水利史に関する水権と地権との関係、近代水利制度の変化及び水利慣習の変遷などの先行研究を整理した。特に張俊峰、銭杭、行龍、鈔暁鴻、魯西奇諸氏の研究成果を吸収し、その到達点と問題点を明らかにした。次に中国で現地調査を実施した。山西大学中国社会史研究センター(張俊峰、行龍、胡英澤教授)、河北大学歴史学院(肖紅松副教授)などの研究機関を訪問し、研究交流を行った。山西省大同市、霍州市、霊石県および四社五村などの地域水利施設を視察し、資料を収集した。以上の史料調査と現地調査に基づいて、1950年代山西省と陝西省の水利制度改革(土地改革との関連性を含む)について実証的な研究を行った。その研究結果は中国山西大学により主催した国際シンポジウムで研究発表をした。今年度の研究業績は次の5点がある。(1)「綏遠事変与全民抗戦局面的形成」『東亜漢学研究』第3号、2013年9月 査読あり。(2)「近代日本的『防共回廊』計画与蒙彊政権」『内蒙古師範大学学報』12期 2013年5月 査読あり。(3)「高級合作社の成立から見る中国低層部における国家権力」『東アジア評論』第5号、2013年3月 査読あり。(4)「従民主社会主義論争看当代中国社会思想的変遷」『研究紀要』長崎県立大学国際情報学部 第14号 2013年12月 査読なし。(5)「中国内陸農村訪問調査報告(4)」(共著)『研究紀要』長崎県立大学国際情報学部 第14号 2013年12月 査読なし。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究計画通りに順調に進展した。 (1)中国におけるほぼすべての山西省水利関係資料を収集し、中国においての水利史に関する先行研究を整理した。 (2)中国にて現地調査を2回実施し、二つの研究機関の訪問、中国の水利史研究者との交流を行い、国際シンポジウムにおける研究発表を行った。 (3)研究の成果として、論文と調査資料5点を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
1、山西大学歴史文化学院を訪問し、研究助言を求める。当大学中国社会史研究センターに所蔵する合作化時期の村政資料を調べて、収集する。 2、山西大学社会史研究センターで山西水利史研究集会を開いて、研究代表者と協力者が研究発表し中国側の研究者と交流する。 3、山西省の他の地域(晋東南、晋西北)と河北省で補充調査を行う。 4、日本国内での研究会で研究発表する。研究者と交流する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
校務の関係で、山西省介休洪山泉での現地調査と国内(東京)出張は実施できなかった。 1、図書費、コピー代金、資料費など5.6719万円。2、日本国内出張1回 10万円。3、海外出張2回 60万円。
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Research Products
(7 results)