2012 Fiscal Year Research-status Report
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24510360
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
横井 和彦 同志社大学, 経済学部, 准教授 (80351279)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国有企業改革 / 単位 / 社区 / 国進民退 / 中国 |
Research Abstract |
京都大学経済研究所平成24年度プロジェクト研究「労働モチベーションの比較経済学分析」および科学研究費基盤研究A「比較移行経済論の確立:市場経済化20年史のメタ分析」主催国際カンファレンス「経済システムの変容と労働モチベーション」(2013年1月27日)において、討論者として、中国を事例に「人的資源管理と労働モチベーション」と題する報告を行った。(1)福利厚生だけでなく家族の生活や修学・就職までをも担ってきた、「単位」としての国有企業の、改革による変容と労働者の労働モチベーションについて、(2)企業民主管理制度の変容と労働者の労働モチベーションについて問題を提起した。 中国情報インターネットサイト(サーチナ)において、6つの論考を発表した。この連載をつうじて、(1)中国の、外資導入による経済発展は、国有企業改革や市場経済化、さらには地域間や企業間の格差の解消という、そのときどきの政策の要請に応じて個別的に「特区」を設置し、そこに外資、さらには発展しつつある内資をも呼び込むという形で推進されてきたこと、(2)その結果、中国企業には、日本の雁行形態論的発展にみられるような発展の連続性や、生産される財の高度化といった現象がほとんどみられないこと、(3)それにかわって、各「特区」内の企業がそれぞれの出自に応じて、合作企業(経済特区)は労働集約製品の生産、国有企業と外資の合弁企業(経済技術開発区)は技術集約製品の生産、独資企業(開放都市)は中国になかった分野の製造業や非製造業、新たに出現した民営経済・校弁企業(高新産業技術開発区)はより高次な新産業製品や研究・開発というように、役割が特化していること、を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中国経済が、今日の「国進民退」とよばれるような国有経済(企業)を中心とする経済体制となるにいたった原因を、国有企業改革の進展、とりわけ国有企業の株式会社化の過程と、外資導入政策の展開から明らかにすることができたから。 その一方で、「好調」な国有企業の、「単位」としての役割がどのように変容したかについては、上海市の「社区」の事例調査にとどまり、論考にまとめるまでにはいたっていないから。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)中国経済が、今日の「国進民退」とよばれるような国有経済(企業)を中心とする経済体制となるにいたった原因を、国有企業改革の進展、とりわけ国有企業の株式会社化の過程と、外資導入政策の展開から検証した論考を公表する。 (2)国有企業の、「単位」としての役割がどのように変容したかについては、大型国有企業(第一汽車)の企業城下町である吉林市の事例調査を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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