2014 Fiscal Year Research-status Report
近代日本の男性性構築におけるミソジニー・ホモソーシャル・ホモフォビア
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24510369
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
海妻 径子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (10422065)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 男性史 / 日本史 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画では、平成26年度の前半までは資料収集および海外文献を用いた理論研究の期間と位置付けていたが、大学改組等の学内業務の多忙化があり、ほぼ年度いっぱいを、対抗的男性性が示されているものとしての、工場労働者および植民地開拓事業参加者の男性性言説の収集に費やさざるを得なかった。 社会民衆党等の社会主義右派政党や俸給生活者組合関連の言説の、雑誌・新聞等からの抽出は順調に進んでいる。俸給生活者組合関連団体の組織化の概要がみえてきており、当初は神戸等の西日本を中心とした組織化・活動であったと予想していたが、それとは異なる状況も見えつつある。従来の研究において、俸給生活者として注目されてきたのは銀行員や教員、商社事務職員等であり、俸給生活者組合関連団体の組織化が西日本中心であろうと予想したのもこのような俸給生活者研究の枠組みに依拠するがゆえであったが、そもそも俸給生活者層の産業分布を、各種統計によって把握しなおす必要性が見えてきている。 その一方で、植民地開拓事業参加者の分析については、近年の戦間戦中期言説分析の見直し議論もふまえて、分析枠組みの検討が必要になりつつあり、抽出作業への着手に手間取っている状況である。今後枠組みの検討作業をスピードアップし、抽出作業への一刻も早い着手を試みたい。 ホモソーシャル・ミソジニー、ホモフォビアについての理論的検討も、今年度は学会発表というかたちで成果をまとめることはできなかったものの、検討作業は継続した。来年度は成果発表につなげることを課題としたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大学改組等の学内業務の多忙化があった。また、戦後70年の節目をむかえることをうけて、戦間戦中期言説分析の見直し議論が盛んになっており、その成果をふまえて、植民地開拓事業参加者の分析枠組みを再考する必要に迫られた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究補助者の確保は、依然として課題である。効率のよい作業展開をする必要上、適任者の確保につとめたい。
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