2013 Fiscal Year Research-status Report
同性ケアとその根拠:レズビアンとケア提供者の相互作用からみた安全概念の検討
Project/Area Number |
24510382
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
藤井 ひろみ 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50453147)
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Keywords | クィア理論 / 性的指向 / レズビアン / ケアの安全性 |
Research Abstract |
本研究は、ケア提供者がケアを受ける人と同じ性別であるケア(以下、同性ケア)の安全性の概念を、クィア理論を用いて再検討する。レズビアンであるクライエント女性のケア提供者との相互作用過程において、どのような構成要素がクライエントの「安全」を成り立たせているのかを、明らかにしようとするものである。今年度は、本研究の先行研究である研究者が実施した2011年度の研究の結果を、社会学、女性学、クィアスタディーズ、看護学の研究者及びレズビアンへの支援活動を展開する市民グループの代表らに提示し、意見を聞く機会を設けた。具体的には、5月日本フェミニストカウンセリング学会(大阪)、8月クィアワークショップ(京都)、10月LGBTI支援全国会議(岩手)、3月LGBTに関する映画上映会等の機会を企画運営し、意見を聞く機会を持った。また今年度後半からは、LGBTと医療看護をつなぐ会(3か月毎)、関西社会学会セクシュアリティ/クィアスタディーズグループ研究会(毎月)の企画や参加を継続している他、研究成果を公表するためのWebページをあらたに設けた(URL:http://machi.iinaa.net)。 クライエント側研究参加候補者とのアクセスに関しては、今年度に構築したネットワークをいかし調査を開始できる環境を整えた。調査計画の詳細を決定し、次年度に倫理審査を経るよう計画を進めている。なお、この研究参加候補者の中には、継続してケアを受ける状態・疾患の方々が含まれているため、本研究計画の期間を超えても調査追跡が可能なように、一部計画を修正する事も検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の2年目となる平成25年度は、本研究の概念枠組みに影響している研究者が既に行った過去の調査結果からみた同性ケアの安全性とクィアスタディーズとの関連について、国内の研究者及び市民活動家らから意見を聞くことができた。これは本来、平成26年度に計画していた内容の一部である。 またクライエント側の研究参加候補者を募集する最適のフィールドを国内において定める事ができ、次年度に聞き取り調査をおこなう準備を整えた。 以上は、計画上平成25・26年度の内容を一部前後させて実施していることから、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、国内でインタビュー調査を倫理審査を経て実施する。既に研究参加候補者への依頼について、フィールドのゲートキーパーらとのネットワーク、候補者自身の関心の把握など、準備環境は良好である。 また、国外においては昨年度の『今後の研究推進方策』であげた米国サンフランシスコ州立大学のAmySueyoshi氏から、研究者が米国でも研究活動を行えるよう平成26年8~10月にvisitig schalorとして招聘していただく許可を得た(国内申請中)。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究計画を遂行するために平成25年10月に国際学会への参加を予定していたが、校務によりやむを得ず出席を取りやめることとなったため。尚、会議には平成26年度に参加する予定である。 「理由」欄に書いたように、平成26年度に開催される国際学会への参加費に充当する(GLMA9月13-15日米国ボルチモア)。
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Research Products
(3 results)