2016 Fiscal Year Annual Research Report
Same sex caring and keeping well-being; finding from interaction between lesbian and health provider
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24510382
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
藤井 ひろみ 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50453147)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 同性愛 / ケアの情緒的安全性 / レズビアン / トランスジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
目的・方法:ケア提供者がケアを受ける人と同じ性別であるということをもって成り立っている同性ケアの安全性の概念を、クィア理論を用いて再検討することを目的とした。レズビアンとトランスジェンダーを対象に、クライエントとケア提供者の関係に関する経験についてインタビューした。平成24~25年を文献検討と準備期間とし、インタビューは平成26年~平成28年に米国と日本で、それぞれ複数回実施した。 結果:A(60代バイセクシュアル女性):男性と結婚、妊娠。離婚した後、女性パートナーが立ち会い出産したが難産で医療者の対応に傷ついた。自然出産ができなかったことに今も苦しい思いがある。B(30代バイセクシュアル女性):米国で同性婚。米国留学してすぐに現在のパートナーに出会った。もう少し早く同性婚が法保証されていれば、子どもをもっていたと思う。C(30代FtM 異性愛):ホルモン療法、性別再指定手術を経て戸籍変更した看護師。男性患者から同性として信頼されると同時に、女性患者の羞恥心も理解できるが、男性であることでできるケアが限定的されることもある。D(30代MtF レズビアン):ホルモン療法、性別再指定手術を経て戸籍変更した看護師。女性になり性暴力を受けるようになった。女性同士では、ノンバーバルコミュニケーションが多いことに気づいた。 考察:(1)性自認や性的指向の表現形は変化することがあり、(2)誰を同性と認知するかも変化する、(3)その時の自分にとっての同性との心地よさは社会制度や文化に応じて変化し、(4) 安全性の根拠は性暴力や同意していない医療介入で揺らぐことが示された。 結論:同性ケアの安全性とは、【クライアントが自覚し他者からも承認された性別にとって「同性」であるケア提供者】から、【同意なき介入を受けることが一切ない】ことを指し、その【同意なき介入には性的対象として見ることまでが含まれる】。
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Research Products
(11 results)