2013 Fiscal Year Research-status Report
大衆メディアに見る第二次世界大戦期と戦後秩序の中のジェンダー・エスニシティ
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24510387
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Research Institution | Keiwa College |
Principal Investigator |
杉村 使乃 敬和学園大学, 人文学部, 准教授 (20329337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 ヒサ子 敬和学園大学, 人文学部, 教授 (70234630)
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Keywords | ジェンダー / エスニシティ / 第二次世界大戦 / メディア / 表象 / 戦後秩序 / 身体 / 表現 |
Research Abstract |
昨年度に続き、第二次世界大戦下、英米、中国、独、日で刊行された女性向け雑誌・一般大衆誌のジェンダー・エスニシティ表象を分析・国際比較を進めた。本年度は京都大学地域研究統合情報センター(CIAS)共同利用(複合「非文字の共有化と研究利用」個別「写真雑誌に見る第二次世界大戦期の記憶とジェンダー・エスニシティの表象分析」)と連携し、2回の研究会を開催、また一般公開のシンポジウムに参加した。研究会では、講師を招聘し、共同研究に関する意見交換を行った。 第1回研究会 H25年8月3、4日(敬和学園大学・新潟市万代市民会館) ①貴志俊彦(CIAS)「非文字資料をめぐる国際共同研究の試みとその課題」②金惠信(青山学院大学)「モガと遊女を語り、描くということ:植民地期朝鮮における文化表象を中心に」第2回研究会 H26年2月24、25日(CIAS)①林田敏子(摂南大学外国語学部)「軍隊のなかの女性たち-二つの大戦に見るジェンダーとセクシュアリティー」 ②杉村使乃「写真週刊誌『ピクチャー・ポスト』に見る第二次大戦下の女性のジェンダー・セクシュアリティ」③佐藤守弘(京都精華大学デザイン学部)「写真は透明なメディアか?:ヴィジュアル・カルチャーと歴史」④池川玲子(研究協力者)「1970年代のパルコポスターに見るジェンダーとエスニシティ」 公開シンポジウム「ビジュアル・メディアとジェンダー」H25年12月15日(東洋文庫)基調講演:加納実紀代(研究協力者)「原爆表象とジェンダー」第1部 「中国のビジュアル・メディアとジェンダー」①坂元ひろ子「抗日戦争期の中国漫画におけるジェンダー表象」②石田留美子「中国現代アートにみるジェンダー表象」第2部 「女性誌にみる戦争とジェンダー表象」①神田より子(研究協力者)「第二次大戦下、『青年女子』の表象」②桑原ヒサ子(研究分担者)「『ナチ女性展望』におけるジェンダー表象」
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第二次世界大戦下、英米、中国、独、日で刊行された女性向け雑誌・一般大衆誌のジェンダー・エスニシティ表象については各担当が収集した資料(英Picture Post, The Girl's Own Paper, Woman、米Ladies' Home Journal, Life、中国『良友画報』、独『ナチ女性展望』、日『写真週報』、『青年女子』、『アサヒグラフ』、及び『満州グラフ』)の分析を各担当がそれぞれほぼ順調に進めている。また、分析結果については研究会で報告を行い、国際比較の場を設け、それぞれの類似、差異について検討を進めている。戦時下のメディアにおけるジェンダー・エスニシティ表象がどのように総力戦にふさわしい「国民」の再生産のために言説と画像が意識的に操作しているか、また、戦況によって女性やエスニックグループを国家にとって都合良く包摂・排除するため、表象にどのような傾向が見られるかを明らかにしつつある。 研究成果の発表については、H25年度より前述のCIAS共同利用と連携したため、より広く研究成果を発表する場を持つことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度においては、各メンバーが担当する地域について、第二次世界大戦期の前後(地域によっては第一次世界大戦も含む)、1950年代までを視野に入れ、分析してきた大衆メディアにおけるジェンダー・エスニシティ表象の傾向をまとめる。戦争によってジェンダー・エスニシティ表象はどのように変わったのか、そして、戦後のジェンダー平等にどのような影響を与えたのかをまとめ研究会で報告する。更に、年度末にシンポジウムを開催し、広く研究成果を公開するとともに、報告書をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度より、京都大学地域研究統合情報センター共同利用からの補助金を得ることができた。そのため、同センターと連携した研究会、シンポジウムで開催することが可能となったため、計画していたよりも旅費などの支出が少なくなったため。 H26年度も、上記センターよりの補助を受ける。しかしながら、それらは主に研究会開催のための旅費のみに使用が限られている。よって、本共同研究グループによる、大規模なシンポジウムの開催及び、シンポジウム打ち合わせのための研究会開催、報告書の作成など、当初予算として挙げていたものは、計画通り使用する。
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Research Products
(9 results)