2014 Fiscal Year Annual Research Report
女性研究者支援のためのシステムの構築と政策提言のための研究-日中韓の比較から-
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24510393
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Research Institution | National Women's Education Center |
Principal Investigator |
内海 房子 独立行政法人国立女性教育会館, その他部局等, その他 (60623022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 裕子 独立行政法人国立女性教育会館, その他部局等, 研究員 (00434150)
野依 智子 福岡女子大学, 文理学部, 教授 (40467882) [Withdrawn]
中野 洋惠 独立行政法人国立女性教育会館, その他部局等, その他 (60155786)
引間 紀江 独立行政法人国立女性教育会館, その他部局等, 研究員 (70623023)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 女性研究者支援 / 大学 / ワーク・ライフ・バランス / ポジティブ・アクション / ジェンダー / 男女共同参画 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、中国・北京市内の大学および研究機関4件(清華大学、北京大学、中華女子学院、中華全国婦女連合会婦女研究所(以下、婦女連))に対し、中国における女性研究者や女子学生をめぐる現状と支援について訪問聞き取り調査を実施(平成26年6月15日~18日)し、平成24年度及び平成25年度実施の国内アンケート及び二次アンケートの結果と平成24年度実施の韓国調査の成果とともに報告書を作成した。 清華大学では、大学の運営面でも女性教員がリーダーや管理職として能力を発揮するなど、女性教員の総合的な活躍促進を目的とした「首都女教授協会」についてヒアリングを行った。北京大学の「女子学生発展協会」は、女子学生優先の奨学金や補助金などの経済的支援や能力開発などを目的とした「虹プロジェクト」の活動を行っている。中華女子学院は、全学部の1年生を対象に、教養課程の共通必修科目として「女性学入門」を1996年から開講、2006年には中国初の学部レベルでの女性学専攻を開設した。婦女連は2009年に女性研究者に関する政策提言を行い、科学技術部をはじめとする政府の10部門と連携したプロジェクトを発表した。この積極的な働きかけにより、自然科学基金の青年部門を35歳までとした年齢制限において、出産・育児による研究中断を考慮し、年齢制限を女性のみ40歳へと引き上げ、さらに自然科学基金より助成金を受けている女性研究者が研究期間中に出産・育児により研究遂行が困難になった場合、研究期間延長が可能になるなど、女性政策へ大きな影響を与えた。 報告書では国内アンケート調査及び第二次アンケートについての結果と分析について述べ、女性研究者比率の伸張が見られる韓国、科学工学系博士取得者数が増加している中国とを比較研究し、共通する課題を明らかにすると共に、韓国、中国の女性研究者支援のシステムを考察した。
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